バッドボーイズ(1995)の解説、評価、レビュー

バッドボーイズ ポリスアクション
ポリスアクション刑事ドラマ

『バッドボーイズ』(原題:Bad Boys)は、1995年に公開されたアメリカのアクション・コメディ映画で、マイケル・ベイの長編デビュー作として知られる。主演を務めるのはウィル・スミスとマーティン・ローレンスで、マイアミを舞台に、性格は正反対ながら息の合った刑事コンビ、マイク・ローリー(スミス)とマーカス・バーネット(ローレンス)が、大量のヘロイン強奪事件の謎に挑む姿を描いている。二人は、事件の鍵を握る目撃者ジュリーを保護しながら、犯罪組織に立ち向かっていく。

本作は、マイケル・ベイらしいダイナミックな演出とスピード感溢れるアクションシーンが特徴で、低予算作品ながら大胆な爆発やカーチェイスといった迫力の映像が観客を引きつけた。また、ウィル・スミスとマーティン・ローレンスの軽快でコミカルな掛け合いは映画の大きな魅力となり、視聴者から高い評価を得ている。興行的にも成功を収めた本作は、2003年に続編『バッドボーイズ2バッド』が、2020年には第3作『バッドボーイズ フォー・ライフ』が公開されるなど、人気シリーズとして確固たる地位を築いた。アクションとユーモアが絶妙に融合した作品として、今なお多くの映画ファンに愛されている。

『バッドボーイズ』あらすじ紹介(ネタバレなし)

マイアミ警察の敏腕刑事マイク・ローリー(ウィル・スミス)と、家族思いの慎重派刑事マーカス・バーネット(マーティン・ローレンス)は、性格は正反対ながら抜群のコンビネーションを誇る名コンビ。ある日、警察の保管庫から1億ドル相当のヘロインが何者かに盗み出され、捜査に当たる二人に事件解決の指令が下る。犯人を追う中、事件の鍵を握る唯一の目撃者ジュリー(ティア・レオーニ)が、命を狙われながらも彼らのもとに逃げ込む。

捜査を進めるため、マイクとマーカスは身分を入れ替えて行動するという奇策をとるが、ジュリーの信頼を得るためには一筋縄ではいかない事態が次々と発生。二人は互いの違いを乗り越えつつ、犯罪組織の正体を突き止めるために奔走する。激しい銃撃戦やカーチェイスの中で、果たして彼らはヘロインを奪還し、ジュリーを守ることができるのか――スピード感溢れるアクションとユーモアが交錯する痛快な刑事ドラマが展開する。

『バッドボーイズ』の監督・主要キャスト

  • マイケル・ベイ(30)監督
  • ウィル・スミス(27)マイク・ローリー
  • マーティン・ローレンス(30)マーカス・バーネット
  • ティア・レオーニ(29)ジュリー・モット
  • チェッキー・カリョ(41)フーシェ
  • テレサ・ランドル(30)テレサ・バーネット
  • ジョー・パントリアーノ(43)ハワード警部

※年齢は映画公開当時のもの。

『バッドボーイズ』の作品評価・レビュー

・みんなでワイワイ 5.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 2.0 ★★☆☆☆
・ウィルの若さが眩しい 5.0 ★★★★★
・バディドラマ 5.0 ★★★★★

バディドラマの決定版

『バッドボーイズ』は、マイケル・ベイの長編デビュー作ながら、スピード感溢れるアクションと軽妙なコメディ要素が魅力。ウィル・スミスとマーティン・ローレンスによるコンビネーションは、軽快な掛け合いやアドリブが作品全体のテンポを引き上げ、観客に強い印象を残した。特に、性格が正反対のキャラクター同士の対比が面白く、彼らの友情と絆が物語に厚みを加える。

マイケル・ベイらしい爆発やカーチェイス、銃撃戦といった迫力のあるシーンは、その後の彼の監督スタイルを方向づけた。ストーリーの緊張感に加え、マイアミを舞台にした明るい映像とキャラクターのユーモアが本作の特徴。90年代特有のエネルギッシュな音楽の魅力も際立つ。

本作の成功は、ウィル・スミスをアクションスターとして確立させただけでなく、シリーズ化を可能にした土台を築き上げた重要な一作となっている。

こぼれ話

本作はマイケル・ベイ監督の長編映画デビュー作であり、当初は制作予算が非常に限られていた。予算削減のため、監督は自らの家族写真や小道具を撮影に持ち込むなど、工夫を凝らしていたという。また、本作に登場するポルシェ・911は、マイケル・ベイ自身が所有していた車であり、この車は現在も映画ファンの間で象徴的な存在として語り継がれている。

主演のウィル・スミスとマーティン・ローレンスは、当時どちらもテレビのコメディシリーズで人気を博していたが、映画出演の経験が少なかった。しかし二人の即興演技が脚本に新たな命を吹き込み、特にガソリンスタンドのシーンなどは台本にないアドリブで構成されてたそう。

さらに、本作の撮影地となったマイアミは、映画の華やかなトーンを引き立てる背景として重要な役割を果たしている。当初はロサンゼルスでの撮影が検討されていたが、プロデューサーがマイアミ特有の熱気や色彩を評価し、最終的に舞台が移された。

興行的には当初期待されていなかったものの、公開後には口コミで注目を集め、マイケル・ベイ監督のキャリアをスタートさせる大ヒット作となった。

みんなのレビュー