僕のワンダフル・ライフ(2017)の解説・評価・レビュー

僕のワンダフル・ライフ 動物ドラマ
動物ドラマ家族ドラマ

『僕のワンダフル・ライフ』は、2017年に公開されたラッセ・ハルストレム監督による心温まるファミリードラマ映画である(原題:A Dog’s Purpose)。原作はW・ブルース・キャメロンの同名小説で、何度も生まれ変わる犬が、自分の人生の目的を探し求める姿を描く。主役である犬ベイリーの声をジョシュ・ギャッドが担当し、飼い主の少年イーサン役を若年期はK・J・アパ、大人になった姿をデニス・クエイドが演じた。

物語は、犬として生まれ変わる中でさまざまな飼い主と出会い、それぞれの人生に影響を与えるベイリーの視点で進む。特に、幼少期にベイリーを育てたイーサンとの絆が物語の中心を成す。公開当時、家族愛や命の大切さを描いた感動的なストーリーが幅広い層に受け入れられ、全世界で2億ドル(当時のレートで240億円)を超える興行収入を記録した。ペットとの関係や生まれ変わりのテーマが心に響き、涙を誘う名作として知られている。

『僕のワンダフル・ライフ』のあらすじ紹介(ネタバレなし)

物語は、1匹のゴールデン・レトリバーが「ベイリー」として生まれ、少年イーサンに引き取られるところから始まる。イーサンとベイリーは深い絆で結ばれ、共に成長していくが、ある事故をきっかけに彼らは離れ離れになってしまう。その後、ベイリーは寿命を迎え一度命を終えるが、再び別の犬として生まれ変わる。そして、新たな飼い主たちとさまざまな人生を共にしながらも、どこかでイーサンへの想いを抱き続けている。

生まれ変わりを繰り返す中で、ベイリーは「犬としての人生の目的とは何か」を模索し続ける。やがて、老年を迎えたイーサンとの再会を果たし、再び彼の人生に寄り添うこととなる。愛と絆をテーマにした感動の物語は、命の大切さやペットと飼い主の深い関係を鮮やかに描き出す。

『僕のワンダフル・ライフ』の監督・主要キャスト

  • ラッセ・ハルストレム(71)監督
  • ジョシュ・ギャッド(36)ベイリー/バディ/ティノ/エリー(声)
  • デニス・クエイド(63)大人のイーサン
  • ペギー・リプトン(71)大人のハンナ
  • K・J・アパ(20)10代のイーサン
  • ブリット・ロバートソン(27)10代のハンナ
  • ジュリエット・ライランス(37)イーサンの母
  • ルーク・カービー(39)イーサンの父

(年齢は映画公開当時のもの)

『僕のワンダフル・ライフ』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 3.0 ★★★☆☆
・大切な人と観たい 4.0 ★★★★☆
・ひとりでじっくり 3.0 ★★★☆☆
・子どもに見せたい 4.0 ★★★★☆
・犬が可愛い 5.0 ★★★★★

犬の視点で語る家族と人生

『僕のワンダフル・ライフ』の、犬の視点で展開されるユニークな語り口はペットを飼う人々の共感を呼び、ジョシュ・ギャッドが声を担当したベイリーの明るく純粋な性格が観客の心を温めた(日本語吹き替えは高木渉氏)。犬が人間の親友であることを再確認させてくれる作品。
犬が生まれ変わりながら家族の人生を追う。温かな映像美と、1960年代から続くアメリカの田舎の風景に調和し、作品の魅力を引き立てている。全世界で2億ドル(240億円)を超える興行収入を記録した。
監督のラッセ・ハルストレムは、以前に『ギルバート・グレイプ』や『ショコラ』を手掛けたベテランであり、ヒット作を生み出す手腕が本作でも発揮されている。

こぼれ話

異なる犬種がそれぞれベイリーの「転生」を表現しているが、撮影前に犬の扱いに論争が起こり、それにより使用された犬たちはプロのトレーナーの指導のもとで細心の注意を払って扱われたという。ベイリーの「犬としての使命」というテーマは、実際の犬の行動研究を参考にしているとのことで、リアリティと感動を兼ね備えた作品に仕上がった。

一方で、アメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」における148人の批評家たちはこの作品に対し、支持率34%とかなり辛口の評価を下している。これについてwikipedia(アメリカ版)によると「動物を愛する観客の心の琴線を恥知らずなほどに揺さぶる」という理由だそうだが、それがなぜ低評価に繋がるのか日本の批評文化、感覚からするとちょっと理解しにくい部分がある。

原作小説『野良犬トビーの愛すべき転生』は、著者W・ブルース・キャメロンが当時の恋人であり、後に共同脚本家となるキャスリン・ミションの愛犬を亡くした悲しみを癒すために執筆された作品である。

みんなのレビュー