ゲーム由来の軽快なアドベンチャー・アクション! ---
『トゥームレイダー』(原題:Lara Croft: Tomb Raider)は、2001年に公開されたサイモン・ウェスト監督によるアクション映画で、同名の人気ゲームシリーズを実写化した作品である。主演はアンジェリーナ・ジョリーで、彼女が演じるララ・クロフトは、冒険心と知性、卓越した戦闘能力を兼ね備えた女性トレジャーハンター。物語は、世界を破滅へと導く力を秘めた古代の秘宝「光の三角形」を巡り、ララが様々な敵と対峙しながらその秘密を追う姿を描く。
映画は、アンジェリーナ・ジョリーの美貌とアクションパフォーマンスが話題を呼び、興行収入は世界で約2億7,400万ドル(当時のレートで約330億円)を記録するヒット作となった。一方で、批評家からはストーリーはやや単純だが、ゲームの世界観を忠実に再現したビジュアルや、グローバルなロケーションが魅力的だと評価された。このヒットを受けて、続編『トゥームレイダー2』が2003年に製作され、女性アクションヒーローの象徴的な存在として記憶される作品となった。
『トゥームレイダー』のあらすじ紹介(ネタバレなし)
イギリスの古城に暮らすトレジャーハンター、ララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は、亡き父から受け継いだ冒険家としての才能を活かし、秘宝を探し求める日々を送っていた。ある日、ララは月食の際に現れるという古代の秘宝「光の三角形」の存在を知る。この秘宝は、時空を超える力を秘めており、もし悪用されれば世界を破滅に導く危険性を持つものだった。
その鍵を握る手がかりを追って、ララはカンボジアやシベリアといった世界中の秘境へと旅立つ。しかし、秘宝を狙う謎の組織「イルミナティ」との対立が激化し、ララは数々の危険な罠や敵と対峙することになる。一方で、彼女の前にはかつての父の遺産や過去の記憶も立ちはだかり、心の葛藤に直面する。ララはその強靭な意志と類いまれな身体能力を駆使して、秘宝を守り抜き、世界の平和を取り戻すことができるのか――。スリルと冒険が交錯する物語が展開する。
『トゥームレイダー』の監督・主要キャスト
- サイモン・ウェスト(39)監督
- アンジェリーナ・ジョリー(26)ララ・クロフト
- ジョン・ヴォイト(62)リチャード・クロフト
- イアン・グレン(40)マニフレッド・パウエル
- ダニエル・クレイグ(33)アレックス・ウェスト
- ノア・テイラー(32)ブライス
- クリス・バリー(47)ヒラリー
- リチャード・ジョンソン(74)ウィルソン
(年齢は映画公開当時のもの)
『トゥームレイダー』の評価・レビュー
・みんなでワイワイ | 5.0 ★★★★★ |
・大切な人と観たい | 4.0 ★★★★☆ |
・ひとりでじっくり | 2.0 ★★☆☆☆ |
・アンジーの魅力 | 5.0 ★★★★★ |
・軽快なアクション | 4.0 ★★★★☆ |
ポジティブ評価
『トゥームレイダー』は、イギリスのビデオゲームを原作とした映画。ゲームの世界観を忠実に再現しつつ、アンジェリーナ・ジョリーがララ・クロフトというカリスマ的なキャラクターに昇華させたアクション・アドベンチャー。アンジーは、ララが持つ強さと知性、冒険家としてのエレガンスを体現した。
世界各地を舞台にしたアドベンチャー映画としてのスケール感も見どころの一つ。カンボジアの遺跡やシベリアの氷原など、多彩なロケーションを駆使した映像が楽しい。アクションシーンにおいても、トラップを潜り抜けたり、敵との激しい戦闘を繰り広げたりと、ゲームさながらのスリルが次々と繰り広げられ、視聴者を飽きさせない。
ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素
『トゥームレイダー』の低評価について、海外を中心にネットで言われるのは滑稽、重厚感がないなど。しかしながら、作品の軽さ自体は本作の制作意図ではないだろうか。日曜洋画劇場的な、人を笑顔にする作品なのである。
ちなみにアンジェリーナ・ジョリーは本作と『ポワゾン』の2作品でこの年のゴールデンラズベリー賞の「ワースト主演女優賞」にノミネートされている。美女は色々言われがち。
こぼれ話
『トゥームレイダー』は、アンジェリーナ・ジョリー自身がほとんどのアクションシーンをこなしたことが話題となった。ララ・クロフト役のキャスティングに関しては、アンジェリーナ・ジョリー以外にも何人かの候補が挙がっていたが、最終的にジョリーが選ばれたのは、彼女が持つ大胆不敵なイメージがキャラクターにぴったりだったためと言われている。アンジー自身は、この役に深く入り込むため、撮影前に武道や銃の訓練、乗馬やダイビングなど、トレジャーハンターとしての技術を学んだのだとか。
映画に登場するララの父親リチャード・クロフト役を演じたのは、ジョリーの実の父親であるジョン・ヴォイトであり、親子共演が実現した点も注目された。劇中で描かれる親子の絆は、実際の関係性が演技に表れている。
映画の撮影はカンボジアのアンコールワットやアイスランドなど、壮大なロケーションで行われた。特にカンボジアでの撮影は、アンコール遺跡が世界的に注目されるきっかけともなり、観光地としての認知度を高める役割を果たした。
みんなのレビュー