ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023)の解説・評価・レビュー

ガンアクション
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キアヌの代表的アクションシリーズーーー

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(原題:John Wick: Chapter 4)は、2023年に公開されたアメリカのアクション映画。監督はチャド・スタエルスキ、主演はキアヌ・リーヴスが務める。本作は『ジョン・ウィック』シリーズの第4作であり、前作『ジョン・ウィック:パラベラム』の直接の続編となる。

物語は、裏社会の掟を破り粛清の包囲網を逃れた伝説の殺し屋ジョン・ウィックが、組織「主席連合」からの自由を求め、世界を股にかけた死闘を繰り広げる様子を描く。共演者にはドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーン、真田広之らが名を連ねる。日本では2023年9月22日に公開され、興行成績は好調で、シリーズ最高のオープニング興収を記録した。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のあらすじ紹介(ネタバレなし)

ジョン・ウィックは、主席連合によって裏社会全体を敵に回された殺し屋。妻との平穏な生活を夢見た彼は、数々の戦いを経て自由を求め続けてきたが、その道のりは決して平坦ではない。自由を取り戻す最後の手段として、主席連合そのものを打倒することを決意したジョンは、戦いの場を世界中へと広げる。ニューヨークから大阪、ベルリン、そしてパリへ。各地で彼を待ち受けるのは、強力な主席連合の使者と、ジョンに対する恩義や憎しみを抱える人々だった。

特に、主席連合の冷酷な幹部マルキーズはジョン抹殺の先頭に立ち、裏社会の掟を忠実に守りながらも彼の抹殺に執念を燃やす。一方、ジョンの前に現れるかつての盟友ケインは、家族を守るために主席連合に従い、かつての友情を断ち切ってでもジョンを倒さなければならないというジレンマを抱える。宿敵と新たな仲間、そして裏社会の掟が複雑に絡み合い、ジョンの行く手を阻む。

果たしてジョンは、自由を手にするために何を犠牲にし、どのような結末を迎えるのか。壮絶な戦いの果てに待つのは、救済か、それとも破滅か。ジョン・ウィックの物語はここに極点を迎える。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』監督・主要キャスト

  • チャド・スタエルスキ(54)監督
  • キアヌ・リーブス(59)ジョン・ウィック
  • ドニー・イェン(60)ケイン
  • ビル・スカルスガルド(33)グラモン侯爵
  • ローレンス・フィッシュバーン(62)バワリー・キング
  • 真田広之(62)シマヅ
  • シャミア・アンダーソン(32)トラッカー
  • ランス・レディック(60)シャロン
  • リナ・サワヤマ(33)アキラ

(役者の年齢は公開時点のもの)

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 2.0 ★★☆☆☆
・大切な人と観たい 2.0 ★★☆☆☆
・ひとりでじっくり 4.0 ★★★★☆
・キアヌ・リーブス! 5.0 ★★★★★
・爽快アクション 5.0 ★★★★★

映画ファンを唸らせるアクション

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、シリーズの中でも特にアクションシーンが際立つ(かっこいい)作品である。特にドニー・イェン演じるケインとの対決シーンは、そのスピード感と緊張感が見事。59歳という年齢を感じさせないキアヌのスタントは脱帽のひとことで、さらに真田広之62歳のアクションも負けていない。
リナ・サワヤマがアキラ役で見せる鮮烈な演技も見所のひとつ。彼女の存在感がシリーズに新たな風を吹き込み物語に深みを与えている。

あえてのネガティブ評価要素

新たなキャラクターが次々と登場し、それぞれの背景や動機が十分に描かれていない場面も散見される。そのため、一部の観客には物語全体の整合性がやや弱く感じられるかもしれない。また、アクションシーンが過剰とも思えるほど長尺であり、テンポが単調に感じられるとの指摘も少なくない。

こぼれ話

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の製作過程には多くの興味深いエピソードがある。
特に、ケイン役を演じたドニー・イェンがキャラクター設定に大きく関与したことが注目される。イェンは脚本に対して意見を出し、ケインの衣装やセリフを再考することで、単なる敵役に留まらない深みのあるキャラクターを構築したという。

撮影はフランス・パリの凱旋門や大阪城など、世界的に有名な観光名所で行われ、ロケ地そのものが物語の重要な要素として機能している。

スタエルスキ監督は、本作でランス・レディック演じるシャロンを特に尊重した演出を行っており、これは俳優の突然の訃報を受けてのことだった。彼の存在がシリーズにおける精神的支柱であったことが、劇中の彼の描き方からも感じ取れる。

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