『アルマゲドン』(1998年)は、マイケル・ベイ監督が手掛けたSFアクション映画で、地球を救うために命を懸ける人々の姿を描くパニック超大作である。巨大な小惑星が地球に衝突し、全人類滅亡の危機に直面する中、NASAは石油採掘のプロフェッショナルであるハリー・スタンパー(ブルース・ウィリス)率いるチームに、小惑星に穴を掘り核爆弾を設置するという前代未聞のミッションを託す。
キャストにはブルース・ウィリス、ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ビリー・ボブ・ソーントンなど豪華俳優陣が揃い、彼らの熱演がドラマを盛り上げた。特に親子や仲間同士の絆を軸にした感動的な人間ドラマと、圧倒的なスケールで描かれるアクションシーンが特徴である。また、エアロスミスの主題歌「I Don’t Want to Miss a Thing」は映画の象徴として大ヒットし、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。
興行収入は全世界で5億5,300万ドル(当時のレートで約720億円)以上を記録し、1998年の年間興行成績第2位にランクイン。視覚効果や壮大なストーリーが話題となり、公開から長い年月を経てもなお多くのファンに愛され続けている。
『アルマゲドン』のあらすじ紹介(ネタバレなし)
地球に接近する直径1,000キロメートル以上の巨大な小惑星が発見され、人類滅亡まで18日という危機的状況に直面する。NASAのトルーマン長官(ビリー・ボブ・ソーントン)は、小惑星を破壊する唯一の方法として、表面に穴を掘って核爆弾を埋め込み、爆破する計画を立案。しかし、そのミッションを成功させるためには、掘削のプロフェッショナルが必要だった。
NASAは、世界最高の石油採掘技術者であるハリー・スタンパー(ブルース・ウィリス)を招集。ハリーは、自身のチームである個性的な掘削作業員たちと共にこの前代未聞のミッションに挑むことを決意する。一方で、ハリーの娘グレース(リヴ・タイラー)と恋仲の若手作業員A.J.(ベン・アフレック)との関係が、物語に複雑なドラマを生み出す。
果たして、彼らは人類を救うことができるのか――壮大なスケールと感動が織り交ざった、極限の戦いが繰り広げられる。
『アルマゲドン』の監督・主要キャスト
- マイケル・ベイ(33)監督
- ブルース・ウィリス(43)ハリー・スタンパー
- ベン・アフレック(26)A.J.フロスト
- リヴ・タイラー(21)グレース・スタンパー
- ビリー・ボブ・ソーントン(43)ダン・トルーマン
- ウィル・パットン(44)チック・チャップル
- スティーヴ・ブシェミ(40)ロックハウンド
- マイケル・クラーク・ダンカン(40)ベア
(年齢は映画公開当時のもの)
『アルマゲドン』の評価・レビュー
・みんなでワイワイ | 5.0 ★★★★★ |
・大切な人と観たい | 4.0 ★★★★☆ |
・ひとりでじっくり | 2.0 ★★☆☆☆ |
・エアロスミスの名曲 | 5.0 ★★★★★ |
・誰でも楽しめる | 5.0 ★★★★★ |
ザ・アメリカの誰もが楽しめる超大作
『アルマゲドン』は、その圧倒的なスケール感と緊張感溢れるアクションシーンで魅了するエンターテインメント超大作である。マイケル・ベイ監督ならではのダイナミックな演出とスピーディーな物語展開が特徴で、最初から最後まで息をつかせない構成が視聴者を飽きさせず、誰もが楽しめる構成。宇宙空間や地球規模の危機を描いた視覚効果も見事で、開当時は革新的な映像として話題を集めた。
キャストの豪華さと熱演も作品のヒットに繋がった。ブルース・ウィリスは、家族や仲間を守るためにすべてを捧げる主人公ハリーを力強く演じ、そのヒーロー像が世界中の感動を呼んだ。ベン・アフレックやリヴ・タイラーによる若い恋人同士のドラマも共感を呼び、世代を超えて楽しめる作品に仕上がっている。
エアロスミスによる主題歌「I Don’t Want to Miss a Thing」は、映画の感動的なラストシーンを際立たせる効果を与え、作品の象徴的な一曲となっている。地球滅亡というスリリングな設定に、家族愛や自己犠牲という普遍的なテーマを重ね合わせた本作は多くの視聴者の記憶に残った。
ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素
感動を狙った超大作で、細かいツッコミ要素を探すような部類の映画ではない。強いてネガティブな評価を上げるとすると、公開当時の過剰な宣伝と、あまりにも有名で「感動した」という同調圧力が一定に存在したため、「そこまでか?」という冷めた視線を送る視聴者がいたことくらい。
王道的な展開で、これぞアメリカというエンターテイメントで、とくに意外性がない物語。されど、改めて視聴しても面白い。
こぼれ話
NASAが協力して制作された本作だが、公開後にはその科学的な不正確さが逆に注目され、アメリカの宇宙飛行士たちが「映画に出てくる間違いを指摘する」という研修の一環として本作を鑑賞しているという逸話が話題となった。
エアロスミスの主題歌「I Don’t Want to Miss a Thing」は、バンドとして初めて全米シングルチャート1位を獲得した楽曲で、映画とともに大ヒットを記録。ボーカルのスティーヴン・タイラーにとっては、娘であるリヴ・タイラーが主要キャストとして出演していたことも特別な意味を持つ楽曲となった。撮影時、スティーヴンはリヴの演技シーンを訪れては見守り、父親としての喜びを語ったという。
さらに、キャスト陣のチームワークを高めるため、マイケル・ベイ監督は石油掘削のトレーニングを実施し、俳優たちに実際の作業工程を学ばせたのだとか。これにより、作中での掘削作業シーンにリアリティが加わり、チームとしての一体感を演出することができた。
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