ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)の解説・評価・レビュー

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ガンアクションスパイアクション

王道スパイアクション・シリーズ4作目! ---

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(原題: Mission: Impossible – Ghost Protocol)は、2011年に公開されたアクションスパイ映画であり、『ミッション:インポッシブル』シリーズの第4作目である。監督はブラッド・バードが務め、主演のトム・クルーズがシリーズの象徴であるイーサン・ハント役を続投した。本作では、ロシアのクレムリン爆破事件の容疑をかけられたイーサン率いるIMFチームが、単独で世界を救う任務に挑む姿が描かれる。

公開当時、シリーズ最高額となる約1億4500万ドル(当時のレートで約170憶円)の制作費が投じられ、迫力あるスタントと斬新なアクションシーンが話題を呼んだ。特に、トム・クルーズがドバイの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の外壁を命綱1本で駆け上がる場面は名シーンとして知られる。興行成績は全世界で約6億9400万ドル(800億円)を記録し、シリーズの人気をさらに確固たるものとした。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のあらすじ紹介

ロシアのクレムリンで爆破事件が発生し、国際社会の非難がIMF(Impossible Mission Force)に向けられる。これにより、IMFは「ゴースト・プロトコル」として解散を命じられ、組織の存在が完全に否定される状況に追い込まれる。濡れ衣を晴らしつつ、事件の黒幕である正体不明のテロリスト「コバルト」を追うため、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は仲間たちと共に任務を続行することを決意する。しかし、支援や資金を一切受けられない孤立無援の状況で、全ての責任を負う危険なミッションが待ち受けていた。

IMFチームは手がかりを求め、モスクワ、ドバイ、ムンバイといった世界各地を巡り、命がけの任務を遂行していく。特に、ドバイの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の外壁を登りながらの潜入作戦や、ハイテクを駆使した作戦がチームの命運を左右する。次第に明らかになる「コバルト」の正体とその目的――核戦争の引き金を引こうとする彼を阻止すべく、イーサンたちは最後の決戦に挑む。次々と襲い来る危機や裏切りの中で、果たして彼らは世界を救うことができるのか。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の監督・主要キャスト

  • ブラッド・バード(54)監督
  • トム・クルーズ(49)イーサン・ハント
  • ポーラ・パットン(35)ジェーン・カーター
  • サイモン・ペッグ(41)ベンジー・ダン
  • ジェレミー・レナー(40)ウィリアム・ブラント
  • ミカエル・ニクヴィスト(51)カート・ヘンドリクス
  • レア・セドゥ(26)サビーヌ・モロー
  • アニル・カプール(51)ブリッジ・ナス

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の作品レビュー

・みんなでワイワイ 5.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 2.0 ★★☆☆☆
・トムクルーズが観たい! 5.0 ★★★★★
・定番の安心感 5.0 ★★★★★

安心の娯楽体験

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は、シリーズの代名詞ともいえるスリルアクションと緻密なプロットで、視聴者に「安心して楽しめる」娯楽体験を提供する。シリーズ4作目ともなるとイーサン・ハントという役名もお茶の間に馴染み、みんなが好きな映画だからグループで視聴しても楽しい。

49歳という年齢を感じさせないトム・クルーズのアクションも見どころのひとつだ。特に、ドバイの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」で繰り広げられるシークエンスで、トム・クルーズ自らが命綱一本で壁面を駆け巡る姿は必見。シリーズならではの演出は視聴者に新鮮な興奮を与えてくれる。
辛口評論家が集まるアメリカ「ロッテントマト」で、93%の高評価を得たのも納得である。

スパイ映画としては‥

敵役のキャラクターがなぜ核戦争を引き起こそうとするのか、動機がイマイチ掴めなかったり、トム・クルーズの大胆な行動の数々が「スパイとは何ぞや‥」という問いかけを視聴者に持たせる。諜報員の駆け引きを愉しむよりも、娯楽アクションとして視聴する映画なのである。

こぼれ話

本作のブルジュ・ハリファでのシーンにおいて、トム・クルーズはこのシーンに向けて特訓を重ね、実際に828メートルの高さでアクションを行った。さらにこのシーンのために特殊なカメラシステムが導入され、IMAXカメラを使ってスケール感を最大限に引き出した。
ブラッド・バードにとって実写映画の初監督作であるにもかかわらず、その演出力とストーリーテリングは既に成熟しており、多くの評論家がアニメーション映画で培った経験を見事に実写に活かしたと絶賛している。興行収入の大成功により、シリーズの方向性を再定義した作品とも言える。

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