メジャーリーグ (1989)の解説・評価・レビュー

Major League コメディ(全般)
コメディ(全般)スポーツドラマ

老若男女が楽しめるベースボール映画の傑作! ---

1989年公開の『メジャーリーグ』(原題:Major League)は、デヴィッド・S・ウォード監督によるスポーツコメディ映画で、弱小野球チームが奇跡の逆転劇を狙う姿を描いた作品。主演はトム・ベレンジャー、チャーリー・シーン、ウェズリー・スナイプスらが務め、メジャーリーグの舞台裏をユーモアたっぷりに描いた。
物語の舞台は、万年最下位に低迷する クリーブランド・インディアンス(現クリーブランド・ガーディアンズ) 。新オーナーのレイチェル・フェルプスは、チームをマイアミに移転させるため、意図的に弱いチームを作ろうと画策。こうして、寄せ集めの問題児たちが集められた。ベテラン捕手ジェイク・テイラー、剛速球投手リッキー・ボーン、俊足のルーキー、ウィリー・メイズ・ヘイズらが、次々とトラブルを起こしながらも次第にチームとしてまとまっていく。

スポーツ映画の定番要素を押さえつつも、個性的なキャラクターと軽快なユーモアが作品を彩り、大ヒットを記録。続編も制作されるほどの人気を誇る。劇中で使用された 「ワイルド・シング」 のテーマソングや、試合中の名実況など、野球ファンならずとも楽しめる要素が満載のスポーツコメディの名作である。

『メジャーリーグ』のあらすじ紹介(ネタバレなし)


クリーブランド・インディアンス(現クリーブランド・ガーディアンズ)は、長年メジャーリーグの底辺をさまよう万年最下位チーム。そんな中、新オーナーの レイチェル・フェルプス(マーガレット・ホイットン) は、チームの成績を意図的に悪化させ、観客動員を減らすことで本拠地をマイアミへ移転しようと企んでいた。そこで彼女は、 寄せ集めの問題児たち を集め、わざと勝てないチームを作ることを決定する。
こうしてチームに集められたのは、 ベテラン捕手ジェイク・テイラー(トム・ベレンジャー)、剛速球だがコントロール皆無の リッキー・“ワイルド・シング”・ボーン(チャーリー・シーン)、俊足自慢の ウィリー・メイズ・ヘイズ(ウェズリー・スナイプス) など、一癖も二癖もある選手ばかり。最初はまとまりのない彼らだったが、オーナーの陰謀を知ったことで結束し、「移転阻止のために勝ちまくってやろう!」と奮起する。

次々と奇跡的な試合を繰り広げ、順位を上げていくインディアンス。しかし、フェルプスは彼らの活躍を阻止しようと、チームにさらなる試練を与える。それでも選手たちは奮闘し、快進撃を続ける。

果たして、落ちこぼれ集団のインディアンスは、大逆転劇を起こし、本当に勝利を掴むことができるのか——? 笑いと感動が詰まった、痛快スポーツコメディの名作!

『メジャーリーグ』の監督・主要キャスト

  • デヴィッド・S・ウォード(44)監督
  • トム・ベレンジャー(40) ジェイク・テイラー
  • チャーリー・シーン(24) リッキー・“ワイルド・シング”・ボーン
  • ウェズリー・スナイプス(27) ウィリー・メイズ・ヘイズ
  • コービン・バーンセン(35) ロジャー・ドーン
  • ジェームズ・ギャモン(49) ルー・ブラウン(監督)
  • マーガレット・ホイットン(38) レイチェル・フェルプス(オーナー)
  • ボブ・ユッカー(55) ハリー・ドイル(実況アナウンサー)
  • デニス・ヘイスバート(35) ペドロ・セラーノ

(年齢は映画公開当時のもの)

『メジャーリーグ』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 5.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 2.0 ★★☆☆☆
・王道の逆転劇 5.0 ★★★★★
・チャーリーシーン 5.0 ★★★★★

ポジティブ評価

ベテラン捕手のジェイク、 豪速球だがコントロール皆無のリッキー、 俊足自慢のウィリー。個性的な選手たちが最初はバラバラな状態から次第に結束し、一丸となって強敵に立ち向かっていく。『メジャーリーグ』は、胸が熱くなるスポーツ映画の王道展開と痛快なコメディを組み合わせた作品で、野球ファンはもちろん、スポーツに詳しくない観客でも楽しめる作りになっている。

試合シーンのリアリティも評価されており、実際に野球経験のある俳優がプレーしているため、俳優が演じる不自然さが少ない。チャーリー・シーンは 高校時代にピッチャーを務めていたといい、劇中の投球シーンはほぼ本人が演じている。そしてカッコイイ。
漫画『ストッパー毒島』などはモロに影響を受けているのではないか。数多のベースボールムービーの中でも特に傑作として記憶に残る。

ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素

編集の方針上、当サイトでは賛否両面からのレビュー解説を試みることになっているが、この作品に対するネガティブ要素は無い。野球に対して何らか特別なトラウマがあれば別だが、悪意がなく誰も傷つかず、大人でも子供でも楽しめる映画である。とにかく陽気で、笑えて熱い。
石橋貴明さんが出演するのは続編の『メジャーリーグ2』。うっかり再生して「あれ、タカさんは?」とならぬよう注意が必要だ(無理やり捻り出した残念要素)。

こぼれ話

チャーリー・シーン(リッキー・“ワイルド・シング”・ボーン役)は実際に高校時代、野球のピッチャーだった。彼の投球フォームが本格的だったのはそのためであり、劇中の剛速球シーンの多くはスタントなしで本人が投げている。ちなみに、シーンは撮影期間中にピッチングのためのトレーニングを受け、球速を時速85マイル(約137km)まで出せるようになったという。しかし、後に本人が「撮影当時は体調管理が甘く、球速が落ちた」とインタビューで語っている。

また、映画の象徴的なシーンの一つがリッキー・ボーンが登場する際に流れる「ワイルド・シング」 だが、これに影響を受けた実在のMLB選手がいる。クリーブランド・インディアンス(現クリーブランド・ガーディアンズ)でプレーしたクローザーのリッキー・ヴォーン(!)は、登場曲に本作と同じ「ワイルド・シング」を使用し、ファンの間で話題になった。

キャスティングについても面白いエピソードがあり、ウェズリー・スナイプス(ウィリー・メイズ・ヘイズ役)は、実はオーディションで本格的な野球経験がないことを隠していた。彼は「俊足キャラ」を演じるために必要な走り込みを必死に練習したものの、撮影初日には「意外と足が遅い」ことが発覚。そこで、映画では編集の工夫で彼のスピードを速く見せる演出が施されたという。

試合シーンは ミルウォーキー・ブルワーズの本拠地「ミルウォーキー・カウンティ・スタジアム」 で撮影された。映画の舞台はクリーブランドだったが、撮影の都合上、実際のクリーブランド・スタジアムは使用されなかった。とはいえ、クリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)のファンにとっては、映画がチームの象徴的な作品となり、現在も「メジャーリーグ」をテーマにしたイベントが開催されることがある。

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