アリースター誕生(2018)の解説・評価・レビュー

アリースター誕生 アーティスト出演
アーティスト出演ヒューマンドラマ

『アリー/ スター誕生』は、2018年に公開されたアメリカのミュージカルドラマ映画で、俳優のブラッドリー・クーパーが初めて監督を務めた作品である。スターの座を目指す若き才能アリーと、キャリアの下降に苦しむカントリーミュージシャン、ジャクソン・メインの愛と葛藤を描く。主演のレディー・ガガはその圧倒的な歌唱力と演技力で新境地を開き、ブラッドリー・クーパーとのデュエット「シャロウ」は映画の象徴的な楽曲となった。

『アリー/ スター誕生』は、1937年の映画『スタア誕生』を原点とし、これまで何度もリメイクされてきた物語の最新作である。第91回アカデミー賞では歌曲賞を受賞し、作品賞を含む8部門にノミネートされるなど、批評的にも商業的にも大成功を収めた。製作費約3600万ドル(40億円)ながら、世界興行収入は約4億3600万ドル(500億円)を記録。音楽と愛の力強さを描いた作品として、幅広い観客の心をつかんだ。

『アリー/ スター誕生』のあらすじ紹介(ネタバレなし)


キャリアが下降線をたどる人気カントリーミュージシャン、ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、ある夜立ち寄ったバーでアリー(レディー・ガガ)の歌声に心を奪われる。ウェイトレスとして働きながら、夢を諦めかけていたアリーを、ジャクソンはステージへと導き、2人は次第に恋に落ちる。
アリーの才能は瞬く間に開花し、彼女は新たなスターとして注目を浴びるようになるが、その一方で、ジャクソンはアルコール依存や自身の過去のトラウマに苦しみ、音楽業界での立場を失いかけていた。2人は互いを支え合いながらも、愛とキャリアの間で複雑に揺れ動く。アリーがスターの階段を駆け上がる中、ジャクソンは自らの問題に向き合い、苦悩の日々を過ごす。
音楽と愛が交錯する中で、2人の関係は予期せぬ方向へと進み、感動的な結末を迎える。夢の実現とその代償を描いた物語は、観る者の心に深く刻まれる。

『アリー/ スター誕生』の監督と主要キャスト

  • ブラッドリー・クーパー(43)監督
  • レディー・ガガ(32)アリー
  • ブラッドリー・クーパー(43)ジャクソン・メイン
  • サム・エリオット(74)ボビー
  • アンドリュー・ダイス・クレイ(61)ロレンツォ
  • デイヴ・シャペル(45)ジョージ・“ヌードルス”・ストーン
  • ラフィ・ガヴロン(29)レズ・ガヴロン
  • アンソニー・ラモス(27)ラモン

『アリー/ スター誕生』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 4.0 ★★★★☆
・大切な人と観たい 4.0 ★★★★☆
・ひとりでじっくり 3.0 ★★★☆☆
・レディーガガを堪能 5.0 ★★★★★
・サクセスストーリー! 5.0 ★★★★★

演技と向き合ったレディー・ガガの新境地

『アリー/ スター誕生』は、ブラッドリー・クーパーの監督デビュー作として大きな成功を収めた作品であり、特に主演のレディー・ガガとクーパーの演技が高く評価された。レディー・ガガは、歌手としての実績を活かしながら、アリーというキャラクターに真摯に向き合い、新たな演技の才能を開花させた。一方で、クーパーはジャクソンの苦悩と繊細な感情をリアルに表現し、監督としても俳優としても多才な才能を示した。
また、楽曲「シャロウ」は映画の象徴的なシーンを彩り、第91回アカデミー賞歌曲賞を受賞。作品全体を通じて、音楽と感情が見事に融合しており、観客に強い印象を残した。ストーリーテリングや演出、音楽のクオリティは、映画ファンや音楽ファンを問わず幅広い層から支持を集めた。

賛否が分かれる評価要素

本作は過去に何度もリメイクされている物語であるため、往年のファンは好みが分かれる。また、ジャクソン・メインのアルコール依存や心理的葛藤に関する描写が繊細すぎて辛い。

こぼれ話

『アリー/ スター誕生』は、1937年のオリジナル版、1954年のジュディ・ガーランド主演版、1976年のバーブラ・ストライサンド主演版に続く4作目のリメイク作品である(※編集部調べ)。

レディー・ガガが歌う「シャロウ」は、公開直後から世界的なヒットを記録し、映画の象徴的な楽曲となった。ガガは、役柄に合わせてメイクを控えめにし、撮影の多くが実際のライブステージで行われたことで、リアリティと臨場感が増した。ブラッドリー・クーパーは役作りのためにギターと歌唱のトレーニングを受け、ジャクソンとして自ら歌を披露することに成功。
また、映画の製作段階ではクリント・イーストウッドが監督候補だったという逸話もあり、制作の裏話が多い作品としても知られる。

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