ザ・ロック(1996)の解説・評価・レビュー

ザ・ロック ミリタリーアクション
ミリタリーアクション

『ザ・ロック』は、1996年に公開されたアクション映画で、マイケル・ベイ監督によるスリリングな物語が展開する。テロリスト集団がアルカトラズ島を占拠し、化学兵器でサンフランシスコを脅かす危機に、FBIの化学兵器専門家スタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)と、アルカトラズ脱獄の唯一の成功者ジョン・メイソン(ショーン・コネリー)が挑む。アルカトラズ島の歴史的な舞台を活かした迫力のアクションと、二人の対照的なキャラクターが生むドラマ性が見どころ。
製作費7,500万ドルに対して全世界で約3億3,500万ドルの興行収入を記録し、成功を収めた。音響編集賞でアカデミー賞にノミネートされ、ハンス・ジマーを中心とするサウンドトラックは多くのファンに支持されている。

『ザ・ロック』のあらすじ紹介(ネタバレなし)

湾岸戦争の退役軍人であるハメル准将(エド・ハリス)が、アルカトラズ島を占拠し、VX毒ガスを搭載したミサイルをサンフランシスコへ向けて発射すると脅迫。政府に戦没兵士への補償を要求する。FBIは、化学兵器専門家のスタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)と、アルカトラズ脱獄の唯一の成功者ジョン・メイソン(ショーン・コネリー)に事態の収拾を託すことに。
二人はアルカトラズ島に潜入し、激しい戦闘を繰り広げながらVX毒ガスの無力化を試みる。スタンリーの専門知識と、ジョンの経験が試される中、敵であるハメル准将の意外な信念も明らかになり、単なる善悪では割り切れない葛藤が浮かび上がる。サンフランシスコの命運を賭けた決死のミッションが、息をつかせぬ展開で繰り広げられる。

『ザ・ロック』の監督と主要キャスト

  • マイケル・ベイ(31)監督
  • ショーン・コネリー(65)ジョン・メイソン
  • ニコラス・ケイジ(32)スタンリー・グッドスピード
  • エド・ハリス(45)フランシス・X・ハメル准将
  • ジョン・スペンサー(50)ジェームズ・ウォマックFBI長官
  • デヴィッド・モース(42)トム・バクスター少佐
  • ウィリアム・フォーサイス(41)アーネスト・パクストン
  • マイケル・ビーン(40)チャールズ・アンダーソン中佐
  • ヴァネッサ・マーシル(28)カーラ・ペスタロッツィ
  • クレア・フォーラニ(24)ジェイド・アンジェロウ

(役者の年齢は公開時点のもの)

『ザ・ロック』の評価・作品レビュー

・みんなでワイワイ 5.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 1.0 ★★☆☆☆
・日曜洋画劇場感 5.0 ★★★★★
・若いニコラスケイジ 3.0 ★★★☆☆

誰でも楽しめるエンターテイメント

本作の舞台であるアルカトラズ島は、かつて実際に刑務所として使用されていた(現在はサンフランシスコの観光名所となっている)。その歴史的背景や閉鎖空間の特性が映画の緊張感を高め、現実味のあるロケーションと臨場感が実現している。
『ザ・ロック』は、誰でも楽しめるエンターテインメントである。アクション映画に定番の銃撃戦や爆発シーンはもちろん、ニコラス・ケイジとショーン・コネリーの軽妙な掛け合いが随所に散りばめられ、アクション映画ファンだけでなく、ストーリー性を重視する観客にも訴求力を持つ。

ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素

この作品のマイナス評価に言及するのはヤボというもの。金曜ロードショーや日曜洋画劇場で観たい映画で(かつて放送されたか記憶が定かでないが‥)、従ってマイナス要素は無い。

こぼれ話

前述のように、『ザ・ロック』はアルカトラズ島で実際に撮影が行われたことで知られている。この撮影には特別な許可が必要で、制作チームは環境保護団体や地元政府と交渉を重ねた。さらに、ショーン・コネリーが撮影中に自らのホテル部屋を要求し、それが特別なバンガローとして設置されたという逸話も有名だ。

また、本作は当時のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーのヒット作の一つとして位置づけられ、彼のブランドである「派手でエネルギッシュなアクション」の基盤を築いた作品とされている。それらを背景に、ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジというスターを据えて、映画の話題性をさらに高めた。

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