ブラックパンサー(2018)の解説・評価・レビュー

ブラックパンサー SF(近未来)
SF(近未来)ヒーローアクションマーベル

『ブラックパンサー』(原題:(Black Panther)は、2018年に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第18作目で、アフリカにある架空の国ワカンダを舞台にしたヒーロー映画。監督はライアン・クーグラー、主演はチャドウィック・ボーズマンが務める。物語は、ワカンダ国王ティ・チャラがヒーロー「ブラックパンサー」として王国を守り、王位を狙う強敵エリック・キルモンガーとの戦いを描く。

アフリカ文化にインスパイアされた美術や衣装デザイン、革新的なキャスティングが話題を呼び、アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞の3部門を受賞。興行的にも大成功を収め、世界で13億ドル(約1,400億円)を超える興行収入を記録。文化を超えた普遍的なテーマを持つアメコミ由来のこの作品は、MCUの中でも特に重要な地位を築いた。

『ブラックパンサー』のあらすじ紹介(ネタバレなし)


アフリカの秘境に隠された高度な文明国ワカンダ。国王ティ・チャカの死を受け、息子ティ・チャラは新たな国王として「ブラックパンサー」の称号を受け継ぐ。だが、ワカンダの秘密資源であるヴィブラニウムを巡る争いが勃発し、闇市場の密売人ユリシーズ・クロウや謎の男エリック・キルモンガーがティ・チャラの前に立ちはだかる。

キルモンガーは自身の出自を武器にワカンダの王座を狙い、国内外で分断と混乱を引き起こす。ティ・チャラは王として、ヒーローとして、国と人々を守るために苦悩しながらも成長を遂げ、ワカンダの未来を切り開こうとする。壮大な戦いの中、彼は家族や仲間たちとともに、真のリーダーシップを学んでいくのだった。

『ブラックパンサー』の監督・主要キャスト

  • ライアン・クーグラー(31)監督
  • チャドウィック・ボーズマン(41)ティ・チャラ / ブラックパンサー
  • マイケル・B・ジョーダン(30)エリック・キルモンガー
  • ルピタ・ニョンゴ(34)ナキア
  • ダナイ・グリラ(39)オコエ
  • レティーシャ・ライト(24)シュリ
  • マーティン・フリーマン(46)エヴェレット・ロス
  • アンディ・サーキス(53)ユリシーズ・クロウ

(役者の年齢は公開時点のもの)

『ブラックパンサー』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 4.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 2.0 ★★☆☆☆
・ひとりでじっくり 2.0 ★★☆☆☆
・マーベル作品! 5.0 ★★★★★
・衣装に注目 4.0 ★★★★☆

至極のマーベル作品

『ブラックパンサー』は、単なるヒーロー映画の枠を超え、アフリカ文化や社会問題をテーマに取り入れた革新的な作品。特にワカンダの美術や衣装デザインは、アフリカの伝統を巧みに取り入れつつ、未来的な要素と融合した独創的なビジュアルで注目を集めた。

チャドウィック・ボーズマンが演じるティ・チャラは、静かな強さと高潔さを持ち合わせた新しいタイプのヒーロー像である。マイケル・B・ジョーダンが演じたエリック・キルモンガーも深みのある魅力的な敵役として高評価。さらに、物語の中核にはアイデンティティや責任、分断と連帯といった普遍的なテーマがあり、多くの観客にとって感動的で考えさせられる内容となった。

こぼれ話

『ブラックパンサー』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でも特異な存在であり、アフリカ系アメリカ人によるキャスト・スタッフが中心となった初のビッグバジェット映画である。

衣装デザインのルース・E・カーターはアカデミー賞を受賞し、衣装の細部にまでアフリカ各地の文化的要素を取り入れた点が高く評価された。また、映画内のワカンダ語は南アフリカのコサ語を基にしており、キャストが言語指導を受けて発音を学んだという。

公開後、映画は文化的現象とも言える人気を博し、前述のようにグローバル興行収入が13億ドル(当時のレートで1,400億円)を超えた。アカデミー賞での作品賞ノミネートは、スーパーヒーロー映画として初の快挙であり、映画史に爪痕を残した。

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