マーベル

マーベル映画:ヒーローたちは、世界を超えて集結する

マーベル映画は、スパイダーマンやアイアンマン、キャプテン・アメリカといった個性豊かなヒーローたちが活躍する、現代アメリカのポップカルチャーをけん引するジャンルである。原点となるマーベル・コミックスは1939年、前身である「タイムリー・コミックス」から始まり、1960年代にスタン・リーとジャック・カービーらの手によって“等身大のヒーロー”を特徴とする数々のキャラクターが誕生した。現実の社会問題や個人の葛藤を描き込む手法は、それまでの勧善懲悪のヒーロー像を刷新し、次第に映画界にもその波が広がっていった。

ジャンルの爆発的な転機となったのが、2008年の『アイアンマン』である。ロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スタークのカリスマ性と、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の幕開けを告げるエンディングは、以降の映画産業の構造をも変える影響を及ぼした。その後の『アベンジャーズ』では、複数のヒーロー映画をクロスオーバーさせる試みが成功し、ジャンルとしての「マーベル映画」の基盤を確立した。そして『ブラックパンサー』は、アフリカ文化をベースにした独自の世界観と社会的テーマを融合させ、ヒーロー映画の多様性と文化的意義を一段階押し広げた作品として高く評価された。

マーベル映画は今や、単なるアクションエンタメではなく、ユーモア、政治性、文化的背景を内包するジャンルへと進化している。フェーズごとの構成やシリーズ内での整合性、そして多様なキャラクター展開によって、映画シリーズとして前例のない拡張性を持つ。マルチバースを中心とした近年の展開は、ヒーロー映画の常識そのものを問い直す試みであり、マーベル映画は依然として最前線で変化を牽引し続けている。

マーベル映画の解説記事一覧

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SF(近未来)

ブラックパンサー(2018)の解説・評価・レビュー

血と誇りが導く、真のリーダーとは何か。映画解説。『ブラックパンサー』(原題:(Black Panther)は、2018年に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第18作目で、アフリカにある架空の国ワカンダを舞台にした<strong>ヒーロー映画!
SF(超・能力)

LOGAN/ローガン(2017)の解説・評価・レビュー

老いたヒーローが選んだ、静かで激しい終焉。『LOGAN/ローガン』(原題:Logan)は、2017年に公開されたアメコミ映画。マーベルで『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品。監督はジェームズ・マンゴールド。主演のヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役を17年間演じ続けた最後の物語
SF(超・能力)

キック・アス(2010)の解説・評価・レビュー

能力ゼロ、覚悟マックス!!『キック・アス』は、2010年に公開されたアクションコメディ映画で、マシュー・ヴォーン(39)監督がメガホンを取った作品。原作はマーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名のアメコミで、スーパーヒーローが現実世界で活躍することを夢見る少年たちをユーモラスかつ暴力的に描いている。
ヒーローアクション

アイアンマン(2008)の解説・評価・レビュー

兵器の時代を終わらせるのは、兵器を作った男だった。ーーーー『アイアンマン』(原題: Iron Man)は、2008年公開のアメリカ映画。マーベル・スタジオが制作した、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の記念すべき第1作である。監督はジョン・ファヴロー(41)、主演はロバート・ダウニー・Jr.。
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