ダンス

ダンス映画:一歩ごとに物語が躍り出す

ダンス映画は、ダンスそのものを物語の中心に据え、身体表現を通して登場人物の夢、葛藤、成長を描くジャンルである。ジャンルや技法の枠を超えて、音楽とリズムに乗せた肉体の動きがドラマを加速させ、視覚と感情の両面に訴えかける。

このジャンルを象徴する作品としてまず挙げられるのが、1983年の『フラッシュダンス』である。鉄工所で働く女性がプロダンサーを目指す姿を、力強いダンスとポップミュージックで彩り、夢と現実のギャップを乗り越える姿が共感を呼んだ。続いて2010年の『ブラック・スワン』では、完璧を追い求めるバレリーナの精神崩壊を、クラシックバレエの厳しさと幻想的な演出を通して描き、芸術表現と自己の境界を問いかける異色のダンス映画となった。そして、2021年のスティーブン・スピルバーグ版『ウエスト・サイド・ストーリー』は、原作の舞台設定や音楽を尊重しつつ、現代的な感覚と映像美を融合させ、ダンスと物語の一体化を鮮やかに描き出した。

ダンス映画は、身体そのものが言葉となるジャンルであり、世代や文化、ジャンルの違いを超えて物語を伝える力を持っている。ストリートから舞台、コンテンポラリーからクラシックバレエまで、さまざまなスタイルが映画の中で命を得て、視聴者に“動きで語る物語”の魅力を届けてきた。夢を追う姿と、動きに込められた情熱が共鳴するとき、ダンス映画はただのエンターテインメントを超えた力を発揮する。

ダンス映画の解説記事一覧

スポンサーリンク
アクション(その他)

RRR(2022)の解説・評価・レビュー

究極のインドアクション・エンターテイメント!『RRR』は、2022年に公開されたインドのアクション映画で、S・S・ラージャマウリが監督を務めた。1920年代のイギリス統治下のインドを舞台に、自由のために戦う2人の英雄、アッルーリ・シータラーマ・ラージュとコマーラム・ビームの友情と戦いを描く。
ダンス

ラ・ラ・ランド(2016)の解説・評価・レビュー

『ラ・ラ・ランド』(原題:La La Land)は、2016年に公開されたアメリカのミュージカル映画で、デイミアン・チャゼルが監督と脚本を務めた。主演はエマ・ストーンとライアン・ゴズリング。ロサンゼルスを舞台に、女優を目指すミア(ストーン)と、伝統的なジャズクラブの開設を夢見るピアニスト、セバスチャン(ゴズリング)が出会い、恋に落ちると同時に、それぞれの夢を追い求める中で葛藤や困難を乗り越えていく姿を描く。
サイコホラー・スリラー

ブラック・スワン(2010)の解説・評価・レビュー

『ブラック・スワン』(原題:Black Swan)は、2010年に公開された心理スリラー映画で、ダーレン・アロノフスキー監督が手掛けた作品。主演のナタリー・ポートマンは、本作でバレリーナ役に挑み、第83回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。
ダンス

ムーラン・ルージュ(2001)の解説・評価・レビュー

映画解説サイト。『ムーラン・ルージュ』について、賛否両面からレビュー解説しています。その他、あらすじやキャスト、制作ウラ話などの情報が盛りだくさん!『ムーラン・ルージュ』に似た映画の紹介なども行っています。ジャンル検索すると観たい映画が見るかるかも!?
スポンサーリンク