ミュージカル

ミュージカル映画:感情が音楽となり、物語が踊り出す

ミュージカル映画は、登場人物の心情や物語の展開を歌とダンスによって表現するジャンルである。音楽がセリフや演出の一部として組み込まれることで、現実を超えた表現力と高揚感を生み出す。

ジャンルの代表作としてまず挙げられるのが、1965年公開の『サウンド・オブ・ミュージック』である。第二次世界大戦前夜のオーストリアを舞台に、家庭教師と子どもたち、そして音楽によって結ばれていく家族の物語が描かれ、劇中歌と風景美が今なお広く愛され続けている。続いて、1961年の『ウエスト・サイド物語』は、ニューヨークの若者たちの対立と悲恋をモチーフに、社会問題をダイナミックな群舞と旋律で昇華した。そして、2016年の『ラ・ラ・ランド』では、夢を追う若者たちの葛藤と恋が現代のロサンゼルスを舞台に描かれ、ミュージカル映画の再評価を牽引した。

ミュージカル映画は、現実の制約を一時的に解き放ち、人間の感情をストレートに表現する手段として独自の地位を築いている。近年では、舞台作品の映像化やアニメーションとの融合、配信プラットフォーム向けの新作など、表現領域が広がりを見せており、ジャンルとしての存在感は再び高まりつつある。ミュージカルは今もなお、音楽と映像が響き合う“体験型の映画”として、多くの視聴者を魅了している。

ミュージカル映画の解説記事一覧

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ダンス

ラ・ラ・ランド(2016)の解説・評価・レビュー

『ラ・ラ・ランド』(原題:La La Land)は、2016年に公開されたアメリカのミュージカル映画で、デイミアン・チャゼルが監督と脚本を務めた。主演はエマ・ストーンとライアン・ゴズリング。ロサンゼルスを舞台に、女優を目指すミア(ストーン)と、伝統的なジャズクラブの開設を夢見るピアニスト、セバスチャン(ゴズリング)が出会い、恋に落ちると同時に、それぞれの夢を追い求める中で葛藤や困難を乗り越えていく姿を描く。
ゴシックホラー

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007)の解説・評価・レビュー

愛と憎しみが交錯する、血塗られた音楽劇ーーーー『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(原題: Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)は、2007年公開のアメリカ映画。スティーヴン・ソンドハイム作の同名ミュージカルを原作とし、ティム・バートンが監督、ジョニー・デップが主演を務めたミュージカルホラーである。
ブラックコメディ

シカゴ(2002)の解説・評価・レビュー

罪も踊る、嘘も歌う――舞台はシカゴ、主役は私ーーーー『シカゴ』(原題:Chicago)は、2002年に公開されたロブ・マーシャル監督によるミュージカル映画で、1920年代のシカゴを舞台に、名声とスキャンダルを描いた作品である。原作は1975年初演の同名ブロードウェイミュージカル
ダンス

ムーラン・ルージュ(2001)の解説・評価・レビュー

マドンナもクイーンも、すべてはこの恋のために響くーーーー『ムーラン・ルージュ』(原題:Moulin Rouge!)は、2001年に公開されたバズ・ラーマン監督によるミュージカル映画で、19世紀末のパリを舞台に、情熱的な愛と悲劇を描いた華やかな作品である。主演はユアン・マクレガーとニコール・キッドマン。
アーティスト出演

エビータ(1996)の解説・評価・レビュー

アルゼンチンのカリスマ女性を描いたミュージカル映画!1996年公開の『エビータ』は、アラン・パーカー監督が手がけたミュージカル映画で、アルゼンチンの“国民的英雄”エバ・ペロンの生涯を描く。原作は、同名のブロードウェイ・ミュージカルであり、壮大なスケールの音楽と映像で映画化された。
ダンス

コーラスライン (1985)の解説・評価・レビュー

舞台の光をめざす名もなきダンサーたちの群像ミュージカル ---1985年公開の『コーラスライン』は、1975年にブロードウェイで初演された伝説的ミュージカルを映画化した作品である。監督は『愛と哀しみの果て』(1985) でアカデミー賞を受賞したリチャード・アッテンボロー。主演はマイケル・ダグラス、アリソン・リード、テレンス・マンらが務めた。
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