Mr.&Mrs. スミス(2005)の解説・評価・レビュー

Mr.&Mrs.スミス アクション(その他)
アクション(その他)スパイアクションブラックコメディ

2005年公開の『Mr.&Mrs.スミス』(原題:Mr. & Mrs. Smith)は、ダグ・リーマン監督が手掛けたアクションコメディ映画。主演はブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーで、平凡な夫婦生活を送る一組の夫婦が実は互いに秘密を抱える暗殺者であり、最終的に互いの正体が発覚して衝突するというユニークな設定が描かれる。

物語は、倦怠期に悩む夫婦ジョンとジェーン・スミスが、互いの雇い主からターゲットとして命じられたことをきっかけに、壮絶な攻防戦を繰り広げる展開が中心。コメディタッチの掛け合いやスタイリッシュなアクションが特徴で、スター同士の競演ということも相まって全世界で約4億8,700万ドル(当時のレートで約570億円)の興行収入を記録する大ヒットを果たした。

本作は、主演2人の息の合った演技と華やかな存在感が作品を牽引し、撮影中に芽生えたブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのロマンスも話題となった。

『Mr.&Mrs.スミス』あらすじ紹介(ネタバレなし)

ジョン(ブラッド・ピット)とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)は、一見すると平凡な郊外での生活を送る夫婦。5~6年の結婚生活を続ける中で、倦怠感を覚え、お互いに秘密を抱えたままの日々を過ごしていた。しかし、2人には互いに隠していた驚きの事実があった。実は、ジョンもジェーンも一流の暗殺者であり、競合する異なる組織に所属していたのだ。
そんなある日、2人は同じターゲットを抹殺するという任務を受け、それぞれの正体が露見してしまう。衝突する2人は、自らの命を守るため、互いを排除しようと熾烈な攻防を繰り広げる。しかし、戦いの中で次第に本来の自分たちを理解し合い、再び絆を取り戻していく。

壮絶な戦闘と破壊を経た後、2人は手を組み、追っ手となる暗殺者組織から逃れるため、力を合わせて戦うことを決意する。コメディ要素とアクションが絶妙に絡み合いながら、夫婦の再生と愛の物語がスタイリッシュに描かれる。

『Mr.&Mrs.スミス』の監督・主要キャスト

  • ダグ・リーマン(39)監督
  • ブラッド・ピット(41)ジョン・スミス
  • アンジェリーナ・ジョリー(30)ジェーン・スミス
  • ヴィンス・ヴォーン(35)エディ
  • アダム・ブロディ(25)ベンジャミン・ダンズ
  • ケリー・ワシントン(28)ジャスミン

(年齢は映画公開当時のもの)

『Mr.&Mrs.スミス』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 5.0 ★★★★★
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 1.0 ★☆☆☆☆
・ユニークアクション 4.0 ★★★★☆
・リアルカップル(!) 5.0 ★★★★★

リアルカップルによるエンターテイメント

『Mr.&Mrs.スミス』は、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの圧倒的なスター性と相性の良さが見られる作品。2人の掛け合いはユーモアにあふれ、視聴者を楽しませるだけでなく、夫婦間の緊張感や愛情の再発見を巧みに描いている。このキャスティングが興行成績に大きく貢献した点は否定できない。
銃撃戦やカーチェイスといった激しいアクションはジョンとジェーンの感情のぶつかり合いを映し出す役割を果たし、家の中で繰り広げられる夫婦喧嘩をベースにした戦闘シーンは、笑いと興奮が絶妙にミックスされている。リアルカップル(当時)によるアクションコメディは必見。

ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素

『Mr.&Mrs.スミス』はドラマ性よりもコメディとアクション中心の物語。娯楽映画なのである。内容が薄いという評価が一部に存在するが、ジャンル違が違うのである。

こぼれ話

主演のブラッド・ピットが当初降板を検討していたというエピソードも興味深い。当初予定されていたニコール・キッドマンがスケジュールの都合で降板したため、一時期プロジェクトの進行が危ぶまれたが、アンジェリーナ・ジョリーが出演を決めたことで再び動き出したという背景がある。
その後ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが撮影中に親密になったことは周知のとおり。公開前から話題になった為、作品の興行成績にも影響を与えたと言われている。

ダグ・リーマン監督は、現場で即興的な撮影を好むことで知られている。脚本が完成していない状態でも撮影を進める場面があり、そのため出演者たちがシーンごとにセリフやアクションをアドリブで対応することがあったという。特に、夫婦喧嘩を描いたアクションシーンでは、キャストの即興的な演技がユーモアを生み出し作品に独特のエネルギーを加えた。

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