大スター競演の犯罪スリラー －－－
『オーシャンズ11』（原題：Ocean’s Eleven）は、2001年に公開されたスティーヴン・ソダーバーグ監督による犯罪スリラー映画で、1960年公開の同名映画をリメイクした作品である。主演のジョージ・クルーニーがダニー・オーシャンを演じ、ラスベガスの3つのカジノを同時に襲撃するという前代未聞の計画を描く。ダニーは刑務所を出所後、旧友ラスティ（ブラッド・ピット）や新人ライナス（マット・デイモン）ら腕利きの仲間を集め、計画を実行する。ターゲットとなるカジノは、ダニーの元妻テス（ジュリア・ロバーツ）の現在の恋人である野心的なオーナー、テリー・ベネディクト（アンディ・ガルシア）が経営する施設である。
本作は、巧妙なストーリー展開とスタイリッシュな演出、そして豪華キャストの共演が話題を呼び、興行収入は世界で4億5,000万ドル（当時のレートで約540億円）を超える大ヒットを記録した。犯罪映画でありながら軽快なユーモアも織り交ぜられ、幅広い観客層に支持された。リメイク作品としても成功を収め、後に続編となる『オーシャンズ12』や『オーシャンズ13』が製作されるきっかけとなった。
『オーシャンズ11』あらすじ紹介(ネタバレなし）
仮釈放されたダニー・オーシャンは、出所直後に前代未聞の計画を立てる。それは、ラスベガスにあるカジノ3軒の金庫を同時に襲撃し、総額1億5,000万ドルを強奪するというものだった。彼は相棒のラスティ・ライアンと共に、各分野のプロフェッショナルを集めた11人の精鋭チームを結成。技術者、爆発物の専門家、スリなど、多彩なメンバーたちと共に周到な準備を進めていく。
標的となるカジノは、冷酷な経営者テリー・ベネディクトが所有する豪華施設であり、彼はダニーの元妻テスと交際中だった。計画を進める中で、ダニーの目的が単なる金銭強奪だけでなく、テスを取り戻すことにもあることが明らかになる。チームは、極限のセキュリティを突破するために綿密な戦略を展開し、複数のトリックを駆使して壮大な強盗劇を実行する。果たしてダニーたちは金と愛を手に入れることができるのか――？計画の成功を巡る緊張感と予想外の展開が繰り広げられる。
『オーシャンズ11』の監督・主要キャスト
- スティーヴン・ソダーバーグ（38）監督
- ジョージ・クルーニー（40）ダニー・オーシャン
- ブラッド・ピット（37）ラスティ・ライアン
- マット・デイモン（31）ライナス・コールドウェル
- ジュリア・ロバーツ（34）テス・オーシャン
- アンディ・ガルシア（45）テリー・ベネディクト
- ドン・チードル（37）バシャー・ター
- バーニー・マック（43）フランク・キャットン
（年齢は映画公開当時のもの）
『オーシャンズ11』の評価・レビュー
| ・みんなでワイワイ | 5.0 ★★★★★ |
| ・大切な人と観たい | 3.0 ★★★☆☆ |
| ・ひとりでじっくり | 3.0 ★★★☆☆ |
| ・イケオジ | 5.0 ★★★★★ |
| ・ラスベガスの世界観 | 4.0 ★★★★☆ |
ポジティブ評価
『オーシャンズ11』は、スタイリッシュかつ軽快なテンポが魅力の犯罪スリラーとして評価された作品。スティーヴン・ソダーバーグ監督は、犯罪映画の緊張感を保ちながらも、ユーモアと洗練された演出を織り交ぜながらストーリーを展開した。計画を練り上げる段階から実行に至るまで視聴者を飽きさず、ラスベガスの華やかな雰囲気とジャズ調の洒落た音楽が物語を彩る。
豪華キャスト陣の絶妙なチームワークも見どころの一つ。ジョージ・クルーニーが演じるダニー・オーシャンは、知性とカリスマを兼ね備えたリーダーとして君臨し、ブラッド・ピットやマット・デイモンがそれぞれ個性を演じてチームを引き立てる。ジュリア・ロバーツとアンディ・ガルシアの存在も、ロマンスと対立を加えることでドラマに華を添える。
ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素
あえての低評価を探すとするならば、ジョージ・クルーニー、ブラッドピット、マットデイモン、ジュリアロバーツ、アンディ・ガルシアら、豪華キャストがこの映画の魅力であるが、キャストによっては出演時間が短く、特定の俳優目当てで視聴すると肩透かしと感じるかもしれない。
こぼれ話
撮影はラスベガスの実際のカジノで行われたが、ロケ中にはカジノの営業を妨げないよう、夜間に撮影が集中した。その結果、キャストたちは本物のディーラーやセキュリティと接する機会も多く、ラスベガスの空気感が映像に反映されている。また、撮影現場には多くの観光客が訪れ、豪華キャストを一目見ようと集まったエピソードもある。
撮影の合間には、ブラッド・ピットやマット・デイモンを含む主要キャストが、互いにイタズラを仕掛けたり、カジノで実際にギャンブルを楽しむなど、和気あいあいとした雰囲気だったという。また、クルーニーがキャスト全員に「ジョージ・クルーニー所有の安価なシャンパン」と書かれた贈り物を渡したというユーモラスな逸話も有名である。
キャラクターの魅力を引き出すために、スティーヴン・ソダーバーグ監督は即興的な演技を奨励し、キャストの個性が自然に映し出されるシーンが生まれた。これにより映画全体に軽妙なユーモアと緊張感が共存する仕上がりとなっている。
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