究極のインドアクション・エンターテイメント! ---
『RRR』は、2022年に公開されたインドのアクション映画で、S・S・ラージャマウリが監督を務めた。1920年代のイギリス統治下のインドを舞台に、自由のために戦う2人の英雄、アッルーリ・シータラーマ・ラージュとコマーラム・ビームの友情と戦いを描く。主人公を演じたのは、インド映画界のスター、N.T.ラーマ・ラオ・ジュニアとラーム・チャラン。壮大なスケールのアクションシーンやエネルギッシュなダンスナンバー「ナートゥ・ナートゥ」が世界的に注目を集めた。
『RRR』は、インド国内外で大ヒットを記録し、世界興行収入は1,200億円を超えた。さらに、第95回アカデミー賞で「ナートゥ・ナートゥ」が歌曲賞を受賞するなど、国際的な映画賞でも高い評価を受けた。映画は友情、革命、愛という普遍的なテーマを壮大な演出で描き、多くの観客を魅了した。
『RRR』のあらすじ紹介(ネタバレなし)
舞台は1920年代のイギリス統治下のインド。物語は、イギリスの総督一家に故郷の村から連れ去られた少女を救うため、村の守護者であるコマーラム・ビーム(N.T.ラーマ・ラオ・ジュニア)がデリーへ向かうところから始まる。一方、英国政府に仕える忠実な警官アッルーリ・シータラーマ・ラージュ(ラーム・チャラン)は、ビームを追い詰める任務を命じられる。
ビームとラージュは、互いの正体を知らないまま運命的な出会いを果たし、固い友情を築く。しかし、やがてお互いの目的が明らかになり、友情と使命の間で対立することに。ビームは連れ去られた少女を救うため命がけで戦い、ラージュも自身の秘密の使命と葛藤しながら、やがて真の自由を求めて立ち上がる。
友情と裏切り、自由と抑圧が交錯する中、2人の英雄は壮絶な戦いの中で自らの信念を貫き、革命の火種をまくこととなる。映画は、圧巻のアクションと感動的なドラマを通じて、自由と友情の価値を力強く描き出す。
『RRR』の監督と主要キャスト
- S・S・ラージャマウリ(48)監督
- N.T.ラーマ・ラオ・ジュニア(38)コマーラム・ビーム
- ラーム・チャラン(36)アッルーリ・シータラーマ・ラージュ
- アーリヤー・バット(28)シータ
- アジャイ・デーヴガン(52)ヴィナヤク
- オリヴィア・モリス(24)ジェニー
- レイ・スティーヴンソン(58)スコット・バクストン総督
- アリソン・ドゥーディ(55)キャサリン・バクストン夫人
(役者の年齢は公開時点のもの)
『RRR』の評価・レビュー
・みんなでワイワイ | 5.0 ★★★★★ |
・大切な人と観たい | 2.0 ★★☆☆☆ |
・ひとりでじっくり | 2.0 ★★☆☆☆ |
・ザ・エンターテイメント! | 5.0 ★★★★★ |
・驚きのアクション&ダンス | 4.0 ★★★★☆ |
これこそが期待するインド映画
『RRR』は、アクション、ドラマ、音楽、ダンスを融合させたインド映画。壮大なスケールとエネルギッシュなストーリーテリングで観客と批評家の心をつかんだ。
S・S・ラージャマウリ監督は、友情や革命という普遍的なテーマを中心に据え、。N.T.ラーマ・ラオ・ジュニアとラーム・チャランの演技は、感情的で力強く、2人のキャラクターに命を吹き込んだ。特に、2人が協力して橋の上で行う救出劇やダンスシーン「ナートゥ・ナートゥ」は圧巻で、観客を熱狂させた。音楽面でも、M.M.キーラヴァーニのスコアは、物語のスリルと感動を増幅させ、特に「ナートゥ・ナートゥ」は第95回アカデミー賞歌曲賞を受賞するなど世界的に評価された。『RRR』は、インド映画の可能性を示す画期的な作品として、エンターテインメントの新たな基準を打ち立てた。
ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素
歴史上の実在の人物をフィクションとして描くアプローチが、事実に基づいていないとして一部の視聴者から批判の対象となった。また、エンターテインメント性を追求した作品の特性だが、過剰ともとれる感情表現は西洋のそれと一線を画し、物理法則を無視したようなアクションシーンにツッコミは多い。ただ、日本や世界の多くの批評家は好感を持ってそれ迎え入れている。
こぼれ話
『RRR』のタイトルは、主演のN.T.ラーマ・ラオ・ジュニア、ラーム・チャラン、監督のS・S・ラージャマウリのイニシャルから取られた。当初は正式タイトルが決まるまでの仮称だったが、ファンの支持を受けて正式タイトルとなった。
撮影には約300日以上を費やし、インド国内外でロケが行われた。、ダンスシーン「ナートゥ・ナートゥ」の撮影は、ウクライナの大統領宮殿で行われたという珍しいエピソードもある。
映画の製作費は約72億円とされ、インド映画史上でも最大の規模。さらに、公開後にはインド国内外で多くの映画賞を受賞し、特に欧米ではNetflixで配信されたことでカルト的な人気を博した。『RRR』は、インド映画を国際的に広める重要な一作となった。
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