シャーロック・ホームズ(2009)の解説・評価・レビュー

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『シャーロック・ホームズ』(原題:Sherlock Holmes)は、2009年に公開されたミステリーアクション映画で、ガイ・リッチー監督が手掛けた作品。アーサー・コナン・ドイルの原作を大胆にアレンジし、伝説的名探偵シャーロック・ホームズを新たな視点で描いている。主演はロバート・ダウニー・Jrで、型破りで風変わりなホームズ像を軽快に演じ、第67回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。ワトソン医師役にはジュード・ロウが起用され、ホームズの相棒として絶妙なコンビネーションを披露した。

物語は、魔術やオカルトを駆使してロンドンを恐怖に陥れる悪党ブラックウッド卿(マーク・ストロング)との対決を軸に、ホームズとワトソンがさまざまな謎を解き明かすスリリングな展開が繰り広げられる。製作費は約9,000万(当時のレートで約85億円)ドル、全世界での興行収入は約5億ドル(約470億円)を記録し、商業的に大成功を収めた。重厚なヴィクトリア朝ロンドンの再現や、独特なカメラワーク、ユーモアを交えた会話劇が評価され、続編制作のきっかけとなった。アクションと推理のバランスが絶妙なエンターテインメント作品である。

『シャーロック・ホームズ』のあらすじ紹介(ネタバレなし)

19世紀末のロンドン、名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)とその相棒ジョン・ワトソン医師(ジュード・ロウ)は、謎に満ちた連続殺人事件の捜査に挑む。犯人として逮捕された謎めいた貴族ロード・ブラックウッド(マーク・ストロング)は、魔術的な儀式で犠牲者を殺したとされており、死刑執行後も復活を予言していた。ブラックウッドの処刑後、予言通りに彼の墓が空となり、ホームズとワトソンは再び事件の渦中に引き込まれる。

科学的な推理を得意とするホームズは、ブラックウッドが復活したかのように見える超自然的な現象の真相を解き明かそうとする一方、事件の背後に潜む陰謀を暴こうと奮闘する。ホームズの前には、かつての恋人であり詐欺師のアイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)や、謎の黒幕の存在も立ちはだかり、捜査はさらに複雑化していく。果たして、ホームズはブラックウッドの目的とその正体を暴き、ロンドンを襲う脅威を食い止めることができるのか――?科学と魔術が交錯するスリリングな推理劇が展開する。

『シャーロック・ホームズ』の監督・主要キャスト

・ガイ・リッチー(41)監督
・ロバート・ダウニー・Jr.(44)シャーロック・ホームズ
・ジュード・ロウ(37)ジョン・ワトソン
・レイチェル・マクアダムス(31)アイリーン・アドラー
・マーク・ストロング(46)ロード・ブラックウッド
・エディ・マーサン(41)レストレード警部
・ケリー・ライリー(32)メアリー・モースタン
・ハンス・マシーソン(35)カウル
(年齢は映画公開当時のもの)

『シャーロック・ホームズ』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 4.0 ★★★★☆
・大切な人と観たい 3.0 ★★★☆☆
・ひとりでじっくり 2.0 ★★☆☆☆
・頭脳戦とアクションの融合 5.0 ★★★★★
・イケメンジュード・ロウ 5.0 ★★★★★

ポジティブ評価

『シャーロック・ホームズ』は、推理小説の古典的な主人公であるホームズをガイ・リッチー監督が再解釈し、スピーディーでスタイリッシュな演出で新たに描き直された作品である。特にアクションシーンは、ロバート・ダウニー・Jr.の巧みな身体表現と所作によって視覚的な楽しさを最大化している。シャーロック・ホームズの「頭脳戦」をアクションとして描写する斬新なアプローチは、観客に鮮烈な印象を与えた。

ヴィクトリア朝時代のロンドンを舞台にした美術や衣装の細部までこだわった再現は、作品全体に重厚感をもたらしている。ジュード・ロウ演じるワトソンとの掛け合いも見どころで、探偵コンビの絶妙な関係性がユーモアと緊張感を織り交ぜた物語に厚みを加えている。ひとことで言うと、面白い映画。

こぼれ話

主演のロバート・ダウニー・Jr.は、ホームズ役に挑むにあたり、ボクシングと柔術のトレーニングを徹底的に行い、原作に登場するホームズの武術の技量を再現することにこだわった。

音楽を手掛けたハンス・ジマーは、本作のためにわざと音が少し不協和に聞こえるよう調整されたピアノを使用し、作品に独特の緊張感を加えている。

一方、アイリーン・アドラーを演じたレイチェル・マクアダムスは、この役のために19世紀のヨーロッパにおける女性の社会的地位や衣装のスタイルについて研究し、キャラクターにリアリティを持たせた。また、ブラックウッド卿役のマーク・ストロングは、監督から「過度に悪役らしさを強調しない」ことを指示され、冷静かつ威圧感のある演技で印象を残した。これらの細やかなこだわりが、本作の魅力を一層引き立てている。

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