シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011)の解説・評価・レビュー

sherlock-holmes-a-game-of-shadows アクション(その他)
アクション(その他)クライムサスペンスミステリーサスペンス

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(原題:Sherlock Holmes: A Game of Shadows)は、2011年に公開されたガイ・リッチー監督によるミステリー・アクション映画。アーサー・コナン・ドイルの名作を原作とし、ロバート・ダウニー・Jrがシャーロック・ホームズを、ジュード・ロウがジョン・ワトソンを演じる。前作に続くシリーズ第2作目となる本作では、ホームズとワトソンが宿敵ジェームズ・モリアーティ教授との対決に挑む。ヨーロッパ各地を舞台に繰り広げられるアクションと、知略を尽くした頭脳戦が見どころとなっている。

本作は、前作よりさらにスケールアップしたストーリーとヴィジュアルで、批評家と観客双方から好評を得た。全世界の興行収入は5億4,500万ドル(当時のレートで約450億円)を超えるヒットを記録。アクション映画としての要素に加え、キャラクター同士の掛け合いが観客を惹きつけた。モリアーティ教授役のジャレッド・ハリスの演技も話題を呼び、シリーズの新たな魅力を引き出した。

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のあらすじ紹介(ネタバレなし)


19世紀末のロンドン。名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は、ヨーロッパ各地で発生する連続爆破事件の裏に、犯罪界の天才、ジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)の存在を見抜く。モリアーティの目的が大規模な戦争を引き起こし、その混乱で巨万の富を得ることにあると察したホームズは、相棒ジョン・ワトソン(ジュード・ロウ)と共に彼の陰謀を阻止するため動き出す。

一方、ワトソンは結婚を控え、新妻メアリー(ケリー・ライリー)との新生活を始めようとしていたが、ホームズの執拗な誘いにより再び危険な冒険に巻き込まれることに。ホームズとワトソンは、謎のジプシー女性シム(ノオミ・ラパス)を仲間に加えながら、フランス、ドイツ、スイスを駆け巡り、モリアーティの計画を暴いていく。

緻密な計算と冷酷な策略を駆使するモリアーティに対し、ホームズは持ち前の洞察力と機知で対抗する。やがて二人の対決は、アルプス山脈の滝「ライヘンバッハの滝」でクライマックスを迎える――宿命のライバル同士の戦いが繰り広げられる壮大な物語。

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の監督・主要キャスト

  • ガイ・リッチー(43)監督
  • ロバート・ダウニー・Jr(46)シャーロック・ホームズ
  • ジュード・ロウ(38)ジョン・ワトソン
  • ジャレッド・ハリス(50)ジェームズ・モリアーティ教授
  • ノオミ・ラパス(31)シム
  • スティーヴン・フライ(54)マイクロフト・ホームズ
  • ケリー・ライリー(34)メアリー・ワトソン
  • ポール・アンダーソン(33)セバスチャン・モラン

(年齢は映画公開時点のもの)

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の評価・レビュー

・みんなでワイワイ 4.0 ★★★★☆
・大切な人と観たい 4.0 ★★★★☆
・ひとりでじっくり 3.0 ★★★☆☆
・ガイリッチー監督 5.0 ★★★★★
・近代欧州の世界観 4.0 ★★★★☆

1作目を超える続編

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』は、演出とアクションが前作「シャーロック・ホームズ」以上にスケールアップ。スローモーションを駆使した戦闘シーンや、ホームズの鋭い洞察力を視覚的に表現した工夫が高く評価され、「1作目を超える続編」として称賛されている。日本の視聴者にはやや伝わりにくいが、ロバート・ダウニー・jrのイギリス訛りのアクセントを称賛する声も海外では多い。
また、ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウの軽快な掛け合いが、作品全体にユーモアを加え、観客を引き込む要素となっている。さらに、ジャレッド・ハリスが演じるモリアーティ教授の冷酷で知的な悪役ぶりは、ホームズの宿敵としての存在感を十分に発揮している。ヨーロッパ各地を舞台にした壮大な物語が、シリーズの魅力をさらに引き立てた。

ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素

一部の批評家は「原作にある推理要素が薄れた」ことに言及している。プロットが前作との比較として、アクションに重点が置かれミステリー要素が後退したと評価されている。「体育会系シャーロックホームズ」と呼ぶ声も(編集部デスク)。好みは分かれるが、映画作品としての評価が世間的に高いことは記しておきたい。

こぼれ話

本作の撮影は、イギリスやフランス、スイスなどで行われ、リアルなヨーロッパの風景が作品の雰囲気を一層引き立てている。特にクライマックスの舞台となる「ライヘンバッハの滝」は、スイスのマイリンゲンで撮影され、ホームズとモリアーティの伝説的な対決が忠実に再現された。

ロバート・ダウニー・Jrは役作りの一環で武術やボクシングのトレーニングを積み、ホームズの肉体的なアクションにリアリティを加えている。

劇中に登場するガジェットや衣装は、19世紀末の技術やファッションを徹底的に研究して作られ、視覚的な没入感を高める要素となった。

興行収入の成功により、シリーズの続編の期待も高まったが、2025年初の時点で次回作の製作は未定のままである。

みんなのレビュー