舞台の訓練から花開いた、現代ハリウッドの表現者
アン・ハサウェイ(Anne Hathaway、本名:Anne Jacqueline Hathaway)は、1982年11月12日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリンに生まれた。父は弁護士、母は舞台女優であり、幼少期から演技に触れる環境で育つ。ニュージャージー州で育ち、演劇に興味を持ち、ミルバーン高校在学中に舞台での演技経験を積んだ。その後、演技を本格的に学ぶため、バルサー・カレッジやニューヨーク大学で演劇を専攻。
2001年、ディズニー映画『プリティ・プリンセス』で映画デビューを果たし、一躍注目を浴びる。以降、『プラダを着た悪魔』(2006)、『レ・ミゼラブル』(2012)などでキャリアを確立し、幅広いジャンルで活躍。『レ・ミゼラブル』ではアカデミー賞助演女優賞を受賞した。
私生活では、2012年に俳優兼ジュエリーデザイナーのアダム・シュルマンと結婚し、2児の母となった。環境保護活動やLGBTQ+支援などの社会貢献にも積極的に関わり、公私ともに影響力のある俳優として知られている。
アン・ハサウェイの経歴
俳優としてのキャリア
1999年、16歳のアン・ハサウェイはテレビドラマ『ゲット・リアル』で本格的に女優デビューを果たす。演技力と清潔感のある存在感が注目され、わずか2年後の2001年、18歳でディズニー映画『プリティ・プリンセス』の主演に抜擢。普通の女子高生が突然王女になるという設定を愛らしく演じ、ティーンスターとして一躍人気を得た。
その後も『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(2004年)や『エラ・エンチャンテッド』(2004年)などファミリー向け作品に出演しながら、演技の幅を広げていく。2005年、23歳のときに出演した『ブロークバック・マウンテン』では、それまでのイメージを一新し、内面の葛藤を抱える女性を繊細に表現。批評家からの高い評価を受け、次のステージへと進んだ。
2006年、24歳で主演した『プラダを着た悪魔』はキャリアの転機となった。メリル・ストリープ演じる鬼編集長のもとで奮闘する若手アシスタント役を等身大で演じ、コメディとドラマを融合した演技で世界的な人気を確立した。以後『レイチェルの結婚』(2008年)や『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)など話題作への出演が続き、実力派女優としての評価を深めていく。
2012年、30歳で出演した『レ・ミゼラブル』では、母親ファンティーヌ役として大幅な減量と髪の毛を実際に剃る覚悟で撮影に臨み、その演技でアカデミー賞助演女優賞を受賞。同年には『ダークナイト ライジング』でキャットウーマン役を務め、シリアスなドラマとエンタメ大作の双方で評価される存在となった。
私生活では、2004年頃からイタリア人実業家と交際していたが、2008年に相手の金融詐欺事件が発覚し破局。その後、俳優・ジュエリーデザイナーのアダム・シュルマンと交際を始め、2012年、30歳で結婚。2016年に長男、2019年には次男が誕生している。
2020年代に入ってからも『マイ・インターン』(2015年)、『オーシャンズ8』(2018年)をはじめとする商業作や、『WeCrashed』(2022年)などの配信ドラマで安定した活躍を続けており、幅広い層から支持される国際的女優として地位を保ち続けている。
製作者としてのキャリア
アン・ハサウェイは、俳優業に加えてプロデューサーとしても活動している。2014年には、自身が主演を務めた『Song One』で製作総指揮を担当。インディペンデント映画ながら、繊細な人間ドラマが評価された。
その後も製作に関わる機会を増やし、2018年の『セレニティー: 平穏の海』では主演だけでなく、プロデューサーとしてもクレジットされた。2022年には『WeCrashed 〜スタートアップ狂騒曲〜』で、実在の人物レベッカ・ニューマン役を演じるとともに、製作総指揮としても作品に深く関与した。
アン・ハサウェイは、女性の活躍や社会問題に焦点を当てた作品作りに関心を持っており、今後もプロデューサーとしての活動を本格化させると見られている。
受賞歴・代表作
2013年の『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞を受賞。
代表作には『プリティ・プリンセス』『プラダを着た悪魔』『レイチェルの結婚』『アリス・イン・ワンダーランド』『ダークナイト ライジング』『レ・ミゼラブル』『インターステラー』『マイ・インターン』『オーシャンズ8』などがある。