イーサン・ホーク

知性と感受性を兼ね備えた現代アメリカ映画の語り手

本名イーサン・グリーン・ホーク。1970年11月6日、アメリカ・テキサス州オースティンに生まれる。父は保険業、母は慈善活動家であり、両親は彼が幼い頃に離婚。以降は母親とともに育ち、ニュージャージーやニューヨークなどを転々としながら学生時代を過ごした。文学と演劇に強い関心を持ち、15歳で初めて舞台に立つ。

1985年、15歳のときに『エクスプロラーズ』で映画デビュー。演技への意欲を深める中で、名門カーネギーメロン大学で演劇を学ぶも、映画『いまを生きる』(1989年)の出演を機に本格的な俳優キャリアへと進むことを選択した。知的で内省的な役柄を得意とし、若くして“考える俳優”としての印象を確立していった。

イーサン・ホークの経歴

俳優としてのキャリア

1985年、15歳のイーサン・ホークはSF冒険映画『エクスプロラーズ』で映画デビューを果たす。その後、演技の勉強を続けながらオーディションを重ね、1989年、19歳のときに『いまを生きる』でロビン・ウィリアムズと共演。名門寄宿学校に通う内向的な学生トッド役を演じ、注目を集めた。
1990年代は、青春映画からインディペンデント作品まで幅広いジャンルに出演。1994年には『リアリティ・バイツ』で世代の代弁者的存在として評価され、24歳のホークは知性と反骨を併せ持つ若手俳優としての地位を確立した。1995年にはリチャード・リンクレイター監督による『恋人までの距離』で主演を務め、恋愛映画の新たな地平を切り拓いた。以降、2004年の『ビフォア・サンセット』、2013年の『ビフォア・ミッドナイト』と10年ごとに同じ役を演じ続けるという異例の三部作となり、時間と人生を描くシリーズとして高い評価を得た。

2001年、31歳のときにはアントワーン・フークア監督の『トレーニング デイ』でデンゼル・ワシントンと共演し、腐敗した刑事に翻弄される新米刑事役でアカデミー賞助演男優賞に初ノミネート。2014年には『6才のボクが、大人になるまで。』に父親役で出演し、12年にわたって同じキャラクターを演じ続けるという革新的なプロジェクトに参加。この演技でも再びアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

近年では、2018年の『ブルーに生まれついて』や2022年の『ブラック・フォン』などでジャンルを超えた演技を見せ、演技派としての評価を維持している。また、2020年代に入ってからはマーベル・スタジオ製作のドラマ『ムーンナイト』でヴィラン役に挑むなど、キャリアの幅をさらに広げている。私生活では1998年に女優ユマ・サーマンと結婚し、2児をもうけたが2005年に離婚。その後再婚し、現在も演技と創作活動を両立する生活を続けている。

製作者としてのキャリア

イーサン・ホークは俳優業に加え、作家・脚本家・監督としても多彩な活動を展開している。1996年には初の小説『The Hottest State』を発表し、2006年には同作を自らの脚本・監督で映画化。自身の文学的関心と映画表現を融合させた作品づくりに挑戦した。また、『ビフォア・サンセット』(2004年)と『ビフォア・ミッドナイト』(2013年)では共同脚本も務め、いずれもアカデミー賞脚色賞にノミネートされている。2022年にはTVシリーズ『The Last Movie Stars』で監督を務め、俳優ポール・ニューマンとジョアン・ウッドワードの人生をドキュメンタリー形式で再構成し、高い評価を受けた。創作の領域を自在に横断する姿勢が、俳優としての活動にも厚みを与えている。

受賞歴・代表作

『トレーニング デイ』(2001年)と『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『ビフォア・サンセット』(2004年)および『ビフォア・ミッドナイト』(2013年)では脚色賞候補としても名を連ねた。
代表作には、青春映画の金字塔『いまを生きる』、現代的恋愛映画として高く評価された『恋人までの距離』シリーズ、警察スリラーの傑作『トレーニング デイ』、革新的な長期撮影プロジェクト『6才のボクが、大人になるまで。』、そして近年の話題作『ブラック・フォン』などがある。演技力と脚本力の双方で高い評価を受け、長年にわたりインディペンデント映画とメジャー作品を自在に行き来する存在として知られている。

イーサン・ホークの出演作品(映画解説)

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トレーニング デイ(2001)の解説・評価・レビュー

映画解説サイト。『トレーニング デイ』について、賛否両面からレビュー解説しています。その他、あらすじやキャスト、制作ウラ話などの情報が盛りだくさん!『トレーニング デイ』に似た映画の紹介なども行っています。ジャンル検索すると観たい映画が見るかるかも!?
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