英雄と詩情をあわせ持つ現代の冒険者
本名オーランド・ジョナサン・ブランチャード・ブルーム。1977年1月13日、イングランド南東部のカンタベリーに生まれる。母は作家で、父とされていた人物は南アフリカの反アパルトヘイト活動家ハリー・ブルームだが、のちに実の父親は家族の友人であったことが明かされた。幼少期からディスレクシア(読字障害)を抱えながらも、芸術への関心を深め、母の勧めで演劇に打ち込むようになる。
16歳でロンドンへ移り、ナショナル・ユース・シアターに参加。ギルドホール音楽演劇学校で本格的に演技を学び、在学中の1997年にはテレビドラマ『カジュアリティ』でスクリーンデビュー。卒業目前の1999年、ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でエルフの戦士レゴラス役に抜擢され、これが国際的な飛躍のきっかけとなった。
オーランド・ブルームの経歴
俳優としてのキャリア
1997年、20歳のオーランド・ブルームは英国のテレビドラマ『カジュアリティ』で俳優としてのキャリアをスタート。演劇学校での学びを深める中、在学中に大役を手にする。1999年、ギルドホール音楽演劇学校の卒業直前にピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のキャスティングが決定し、当時ほぼ無名だったブルームはエルフの戦士レゴラス役で映画界に衝撃的なデビューを飾る。2001年から2003年にかけて公開されたシリーズ全作が世界的に大ヒットし、一躍国際的スターとなった。
2003年には『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でウィル・ターナー役を演じ、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウとともにシリーズの中心人物として人気を博す。2004年には『トロイ』、2005年には『キングダム・オブ・ヘブン』と歴史・神話系の大作に連続出演し、当時ハリウッドでもっとも注目される若手俳優の一人とされた。
私生活では、2007年頃からモデルのミランダ・カーと交際を開始し、2010年に結婚。2011年には第一子となる男児が誕生したが、2013年に離婚。その後は俳優業を継続しながら、舞台『ロミオとジュリエット』(2013年・ブロードウェイ)への出演など、キャリアの幅を広げていく。
2017年には再び『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』に復帰し、シリーズへの貢献を継続。同年以降はファンタジードラマ『カーニバル・ロウ』(Amazon Prime Video)に主演し、配信作品でも存在感を見せている。私生活では、2019年に歌手ケイティ・ペリーとの婚約を発表し、2020年に娘が誕生。家庭と仕事の両立を図りながら、国際的な作品への出演を続けている。2023年には『グランツーリスモ』などで主要キャストを務め、40代に入ってもアクションと人間ドラマを行き来する安定したキャリアを築いている。
製作者としてのキャリア
オーランド・ブルームは俳優としての活動に加え、近年ではプロデューサーとしても作品制作に関わるようになっている。とくにAmazon Prime Videoのオリジナルシリーズ『カーニバル・ロウ』では主演のみならず製作総指揮も務め、作品全体のトーンや世界観の構築に深く関与した。
また、環境問題や人道支援など社会的テーマを扱うドキュメンタリー企画にも関心を示しており、俳優としての影響力を制作現場に活かす姿勢が徐々に顕著になってきている。今後はプロデューサー業の本格化も視野に入れており、企画開発段階から関わる体制を強めている。
受賞歴・代表作
オーランド・ブルームはアカデミー賞の受賞歴はないものの、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)で全米映画俳優組合賞キャスト賞を受賞し、同シリーズの成功に大きく貢献した。
代表作には、エルフ戦士レゴラスを演じた『ロード・オブ・ザ・リング』三部作、ウィル・ターナー役で人気を確立した『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、歴史劇に挑戦した『トロイ』と『キングダム・オブ・ヘブン』、そしてドラマシリーズ『カーニバル・ロウ』などがある。