気品と情熱を纏う、英国生まれの華やかな存在感
本名キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。1969年9月25日、イギリス・ウェールズのスウォンジーに生まれる。父は製菓会社を経営し、母は衣料品店の従業員。家庭は中産階級ながら芸術に理解があり、ゼタ=ジョーンズは幼い頃からバレエやダンスに親しみ、舞台での表現に自然と惹かれていった。
10代で舞台演劇の世界に入り、ロンドンのウェストエンドでプロのミュージカル女優として頭角を現す。1990年代初頭にはイギリスのテレビドラマに出演し知名度を高めるが、世界的な注目を集めたのは1998年、28歳のときに出演した映画『マスク・オブ・ゾロ』である。華麗な剣さばきと艶やかな存在感で一躍ハリウッドスターの仲間入りを果たし、以降国際的に活躍する女優としての地位を確立していった。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズの経歴
俳優としてのキャリア
1987年、18歳のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、ロンドンの舞台『42ndストリート』で主演を務め、プロのミュージカル女優としてデビュー。その後も舞台経験を重ね、1991年、22歳のときに英国のテレビドラマ『The Darling Buds of May』に出演し、イギリス国内で人気を獲得する。
1990年代中盤にはアメリカ市場への進出を目指し、ハリウッド作品への出演を開始。1998年、28歳で出演したアクション映画『マスク・オブ・ゾロ』で一躍ブレイクを果たし、アントニオ・バンデラスと並ぶヒロイン役として国際的な注目を浴びた。翌1999年には『エントラップメント』でショーン・コネリーと共演し、知性と美貌を併せ持つ女優としての評価を高めた。
2000年、31歳で俳優マイケル・ダグラスと結婚。夫とは25歳差でありながら、ハリウッドでも著名なカップルとして話題となった。同年には長男ディランが、2003年には長女キャリスが誕生している。
2002年、33歳で出演したミュージカル映画『シカゴ』では、野心的なショーガール、ヴェルマ・ケリーを演じ、歌唱・ダンス・演技のすべてを披露。作品はアカデミー賞作品賞を含む多数の賞を受賞し、ゼタ=ジョーンズ自身もアカデミー賞助演女優賞を受賞。キャリアの頂点を築いた。
2004年には『オーシャンズ12』、2005年には『ターミナル』など話題作への出演が続き、演技の幅を広げていく。40代以降は出演作を絞りつつ、2012年の『ロック・オブ・エイジズ』や、2022年からのNetflixドラマ『ウェンズデー』など、映画・テレビ双方で活躍を続けている。私生活では夫の闘病(マイケル・ダグラスは2010年に咽頭がんを公表)や自身の双極性障害の診断を経ながら、家族とキャリアのバランスを保ち、長年にわたって国際的な女優としての地位を堅持している。
受賞歴・代表作
2002年の『シカゴ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞し、歌とダンスを兼ね備えた演技でミュージカル映画の復権に貢献。
代表作には、ハリウッドでの出世作となった『マスク・オブ・ゾロ』、スタイリッシュな犯罪劇『エントラップメント』、受賞歴を重ねたミュージカル映画『シカゴ』、スティーヴン・スピルバーグ監督作『ターミナル』、そして近年注目を集めたNetflixドラマ『ウェンズデー』がある。