クリスチャン・ベール

変幻自在の肉体と精神を操る演技の職人

本名クリスチャン・チャールズ・フィリップ・ベール。1974年1月30日、イギリス・ウェールズのペンブルックシャーに生まれる。父デヴィッド・ベールは実業家で環境活動家、母ジェニーはサーカス団のダンサーとして働いていた。4人きょうだいの末子として、英国とアメリカを行き来する生活の中で育った。

子どもの頃から舞台やコマーシャルに出演し、演技に触れる機会を多く持った。1980年代前半にはレノア洗剤のテレビCMなどに出演し、早くから映像メディアに慣れ親しんだ。11歳で舞台『ボクの仔犬』に出演し、徐々に子役としてのキャリアを築く。1987年、13歳のときにスティーヴン・スピルバーグ監督による戦争映画『太陽の帝国』のオーディションに合格し、主役ジム・グラハム役に抜擢。国際的な注目を集める存在となった。

クリスチャン・ベールの経歴

俳優としてのキャリア

1987年、13歳のクリスチャン・ベールはスティーヴン・スピルバーグ監督作『太陽の帝国』で映画初主演を果たす。戦時下の上海で生き延びる少年ジムを演じ、演技未経験ながら強烈な存在感を示して国際的な注目を集めた。以降、1980年代末から1990年代前半にかけては『ヘンリー五世』(1989年)や『若草物語』(1994年)などに出演し、英国系文学作品を中心にキャリアを積んでいく。

2000年、26歳のときに主演した『アメリカン・サイコ』では、外資系金融マンの仮面をかぶった連続殺人鬼という難役に挑戦。体を鍛え上げた肉体美と狂気的な演技で注目され、演技派俳優としてのイメージを確立する。2004年にはサイコスリラー『マシニスト』で役作りのため約30キロの減量を敢行。30歳にして極端な肉体改造を伴う役への挑戦が話題となり、“肉体を削る俳優”としてのスタイルを確立した。
2005年、31歳のときにクリストファー・ノーラン監督による『バットマン ビギンズ』で主演に抜擢され、DCコミックスの象徴的ヒーロー、ブルース・ウェイン/バットマン役に挑む。2008年の『ダークナイト』、2012年の『ダークナイト ライジング』へと続く3部作で主演を務め、ヒーロー映画の枠を超えた重厚な人間ドラマとして高く評価された。
私生活では、2000年、26歳のときに元モデルで映画プロデューサーのサンドラ・ブレイジックと結婚。2005年に長女が、2014年には長男が誕生しており、プライベートは比較的慎重に保たれている。

2010年、36歳で出演した実録ボクシング映画『ザ・ファイター』では再び大幅な減量を行い、薬物依存の元プロボクサーを演じてアカデミー賞助演男優賞を受賞。その後も『アメリカン・ハッスル』(2013年)、『マネー・ショート』(2015年)、『バイス』(2018年)と実在人物の役を数多く演じ、作品ごとに体型・声・動作を変える徹底した役作りで知られるようになる。
2022年には『ソー:ラブ&サンダー』でマーベル映画に初参加し、神殺しのヴィランという異色の役柄を演じた。俳優業の最前線に立ち続けながらも、メディア露出は必要最小限にとどめており、演技一本に集中するスタンスを保ち続けている。変幻自在の役作りを通じて、映画俳優としての限界を押し広げてきた存在である。

受賞歴・代表作

2010年の『ザ・ファイター』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、その後も『アメリカン・ハッスル』『マネー・ショート』『バイス』でアカデミー賞にたびたびノミネート。実在の人物を体現する役作りと身体変化を通じ、演技派俳優としての地位を確立した。
代表作には、子役時代の出世作『太陽の帝国』、サイコスリラーのカルト作『アメリカン・サイコ』、ノーラン版3部作の『ダークナイト』シリーズ、経済危機を描いた群像劇『マネー・ショート』、そしてチェイニー副大統領を演じた『バイス』などがある。キャリアを通して役への没入を徹底し、その演技法と身体性は現代ハリウッドでも異彩を放っている。

クリスチャン・ベールの出演作品(映画解説)

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