グウィネス・パルトロー

知性と芸術に育まれたハリウッドの血統

本名グウィネス・ケイト・パルトロー。1972年9月27日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれる。父ブルース・パルトローはテレビドラマや映画のプロデューサー・監督、母ブライス・ダナーは舞台や映画で活躍する女優であり、芸能界と縁の深い家庭に育った。ユダヤ系の血を引く父と、ドイツ・イギリス系の母のもと、多文化的な価値観に囲まれて成長した。

幼少期から芸術に囲まれた生活を送り、演劇や音楽に親しんだ。10代の頃に家族でニューヨークへ移住し、名門スピンスクールに通学。その後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校に進学し、人文学を学ぶが、俳優という道への興味を捨てきれず、中退して本格的に演技の道を志すことを決意。家業に頼ることなく、自らオーディションを重ねながらスクリーンデビューの機会を模索していった。

グウィネス・パルトローの経歴

俳優としてのキャリア

1991年、19歳のグウィネス・パルトローは映画『シャウト』でスクリーンデビューを果たす。その後、スティーヴン・スピルバーグ監督の『フック』(1991年)で若き日のウェンディ役に抜擢され、徐々に注目を集め始めた。1993年、21歳で『フレッシュ・アンド・ボーン』に出演し、演技派としての資質を評価されるようになる。
1995年、23歳のときに出演したサイコサスペンス『セブン』では、ブラッド・ピット演じる主人公の妻役を演じ、国際的な認知を獲得。同年からプライベートでもブラッド・ピットとの交際が始まり、大きな話題となった。1996年には英国文学を原作とした『エマ』で初主演を果たし、知的で洗練されたヒロイン像が高く評価された。
1998年、26歳で主演した『恋におちたシェイクスピア』では、劇作家ウィリアム・シェイクスピアのミューズを演じ、アカデミー賞主演女優賞を受賞。一躍トップ女優の仲間入りを果たした。その後も『リプリー』『パーフェクト・マーダー』『大いなる遺産』などに出演し、恋愛劇やサスペンスなど幅広いジャンルで活躍した。

2000年代に入ると、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年)、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(2005年)など、個性派監督との作品で演技の幅を広げた。2003年、31歳のときにイギリスのロックバンド「コールドプレイ」のボーカル、クリス・マーティンと結婚し、2004年に長女アップル、2006年に長男モーゼスが誕生。育児を優先するため、映画出演はやや抑えた時期もあった。
2008年には『アイアンマン』でペッパー・ポッツ役として出演し、マーベル・シネマティック・ユニバースの一員となる。以後、『アベンジャーズ』シリーズなどに継続して出演し、再び国際的な注目を集めた。私生活では2014年、41歳でマーティンと離婚を発表。以降も共同で子育てを行いながら、俳優業とビジネスを両立するライフスタイルを築いている。

2020年代に入ってからは俳優業を控えめにしつつ、ライフスタイルブランド「Goop」の経営や執筆活動に重心を移しており、演技以外のフィールドでも存在感を示し続けている。

製作者としてのキャリア

グウィネス・パルトローは2000年代から製作業にも関心を広げ、俳優としての出演作にとどまらず、企画開発やブランド経営に積極的に関わっている。とくに2010年代以降は、自身が創設したライフスタイルブランド「Goop(グープ)」を通じて、ウェルネス、食、ファッション、性の問題など多角的なテーマに取り組み、コンテンツ制作を手がけるメディア事業として拡大させた。Netflixでは『ザ・グープ・ラボ』(2020年)を配信し、ドキュメンタリー形式で制作責任者としてもクレジットされた。俳優業から一定の距離を置きながらも、コンテンツと経営の両側面から“表現者”としてのキャリアを継続している。

受賞歴・代表作

1998年の『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、知性と繊細さを兼ね備えた演技が高く評価された。その後も『エマ』や『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』などで各国の映画賞にノミネートされ、演技派としての評価を確立。
代表作には、出世作となった『セブン』、文芸映画の主演として注目された『エマ』、キャリアの頂点を示す『恋におちたシェイクスピア』、ウェス・アンダーソン作品として印象的な『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、そして世界的シリーズの一員となった『アイアンマン』をはじめとするマーベル作品群がある。ジャンルを超えて多面的なキャリアを築いた女優として、1990年代から現在に至るまで広く認知されている。

グウィネス・パルトローの出演作品(映画解説)

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ヒーローアクション

アイアンマン(2008)の解説・評価・レビュー

兵器の時代を終わらせるのは、兵器を作った男だった。ーーーー『アイアンマン』(原題: Iron Man)は、2008年公開のアメリカ映画。マーベル・スタジオが制作した、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の記念すべき第1作である。監督はジョン・ファヴロー(41)、主演はロバート・ダウニー・Jr.。
ラブコメディ

恋におちたシェイクスピア (1998)の解説・評価・レビュー

彼は恋に落ち、そして書きはじめたーーーー1998年公開の『恋におちたシェイクスピア』は、ジョン・マッデン監督が手掛けた歴史ロマンティックコメディで、若き日のウィリアム・シェイクスピアが体験する恋愛と創作の苦悩を描いたフィクション作品。当時絶大な人気を誇ったグウィネス・パルトローとジョセフ・ファインズが主演を務めた。
クライムサスペンス

セブン(1995)の解説・評価・レビュー

正義と狂気が交差する、猟奇犯罪の果てーーーー『セブン』(原題:Se7en)は、1995年に公開されたアメリカの犯罪スリラー映画で、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めた。主演はモーガン・フリーマン、ブラッド・ピット、グウィネス・パルトロー、そして犯人役のケヴィン・スペイシーが重要な役割を演じる。
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