ケヴィン・スペイシー

ケヴィン・スペイシーの本名はケヴィン・スペイシー・フォウラー。1959年7月26日にアメリカ・ニュージャージー州サウスオレンジで生まれた。父親は技術系のライター、母親は秘書であり、3人きょうだいの末っ子として育つ。少年期に家族とともにカリフォルニア州に移住し、高校時代から演劇に関心を持つようになった。

高校卒業後、ジュリアード音楽院で演技を学び、舞台での活動を経て、1986年に映画『心みだれて』でスクリーンデビューを果たした。舞台で培った表現力と発声を武器に、映画界でも頭角を現すこととなった。

ケヴィン・スペイシーの経歴

俳優としてのキャリア

1980年代初頭、ケヴィン・スペイシーはニューヨークの舞台を中心にキャリアを開始し、1986年、27歳のときに映画『心みだれて』でスクリーンデビューを果たす。1990年には『グリフターズ/詐欺師たち』に出演し、批評家から注目を集めた。1995年、36歳のスペイシーは『ユージュアル・サスペクツ』で犯人ヴァーバル・キントを演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞。緻密な演技と緊張感ある存在感で一躍名声を高めた。

1997年には『L.A.コンフィデンシャル』に出演し、硬派な刑事ジャック・ヴィンセンズ役を演じて評価を得る。翌1999年、40歳のときに主演した『アメリカン・ビューティー』では中年男性の心理をリアルに表現し、アカデミー賞主演男優賞を受賞した。2000年代も『ペイ・フォワード』『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』『スーパーマン・リターンズ』などに出演し、幅広いジャンルで活動を続けた。

2013年からは、政治スリラードラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』に主演し、野心的な政治家フランク・アンダーウッド役で再評価を受けた。ドラマの成功により、テレビ界でも存在感を示すこととなる。

2017年以降、スペイシーに対して複数のセクシャル・ハラスメント疑惑が報じられたことにより、キャリアは大きな転換点を迎える。『ハウス・オブ・カード』は降板となり、公開予定だった映画も配信中止となるなど、活動は一時停止状態に入った。その後、裁判の過程で一部の訴えは却下されたが、2020年代に入ってもハリウッドでの主要な復帰は実現していない。

製作者としてのキャリア

ケヴィン・スペイシーは、2000年代以降プロデューサーとしても活動しており、特に演劇と映像の両分野で制作面に関与してきた。2004年から2015年までロンドンのオールド・ヴィック劇場の芸術監督を務め、舞台芸術の発展に貢献した。映像分野では、自身が主演した『ハウス・オブ・カード 野望の階段』で製作総指揮を務め、ストリーミングドラマの商業モデル確立において重要な役割を果たした。

受賞歴・代表作

1995年の『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞。1999年の『アメリカン・ビューティー』では主演男優賞に輝いた。
代表作には、心理戦の妙を見せた『ユージュアル・サスペクツ』、中年の虚無を描いた『アメリカン・ビューティー』、陰謀と暴力が交錯する『L.A.コンフィデンシャル』、社会派ドラマ『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』、そして政治スリラーの金字塔『ハウス・オブ・カード 野望の階段』がある。

ケヴィン・スペイシーの出演作品(映画解説)

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ヒューマンドラマ

ペイ・フォワード 可能の王国(2000)の解説・評価・レビュー

世界を良くする方法? 思いついたのは、12歳の少年だったーーーー2000年公開の『ペイ・フォワード 可能の王国』は、ミミ・レダー監督が手掛けたヒューマンドラマで、キャスリン・ライアン・ハイドの同名小説を原作としている。主演はケヴィン・スペイシー、ヘレン・ハント、ハーレイ・ジョエル・オスメントで、善意とその連鎖をテーマに描かれる感動作である。
ヒューマンドラマ

アメリカン・ビューティー(1999)の解説・評価・レビュー

理想の家族、理想の仕事、理想の空虚ーーーー『アメリカン・ビューティー』は、1999年に公開されたサム・メンデス監督のデビュー作、アラン・ボールが脚本を手掛けた作品。主演はケヴィン・スペイシーとアネット・ベニング。平凡な生活に不満を抱く中年男性レスター・バーナム(スペイシー)が、人生を見つめ直し変化を求める様子を描く。
クライムサスペンス

セブン(1995)の解説・評価・レビュー

正義と狂気が交差する、猟奇犯罪の果てーーーー『セブン』(原題:Se7en)は、1995年に公開されたアメリカの犯罪スリラー映画で、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めた。主演はモーガン・フリーマン、ブラッド・ピット、グウィネス・パルトロー、そして犯人役のケヴィン・スペイシーが重要な役割を演じる。
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