舞台と国際的な環境が育んだ、親しみやすさと芯の強さを併せ持つハリウッド女優
サンドラ・アネット・ブロック(Sandra Annette Bullock)は、1964年7月26日、アメリカ合衆国バージニア州アーリントンに生まれた。父親のジョン・W・ブロックはアラバマ州出身のヴォイストレーナーで、イギリス系アメリカ人。母親のヘルガ・マイヤーはドイツ人のオペラ歌手である。ブロックは12歳までドイツ・バイエルン州ニュルンベルクで過ごし、ドイツ語を話すことができる。幼少期からバレエや声楽を学び、母親の舞台で小さな役をもらったこともあるという。
イーストカロライナ大学で演劇を学んだが中退し、ニューヨークに移って名門ネイバーフッド・プレイハウスで演技を学び直した。その後、オフ・ブロードウェイの舞台に立つようになり、俳優としてのキャリアをスタートさせた。
サンドラ・ブロックの経歴
俳優としてのキャリア
サンドラ・ブロックの俳優キャリアは、1980年代後半のテレビドラマや低予算映画への出演から始まった。1993年の『デモリションマン』でシルヴェスター・スタローンと共演し、ハリウッドでの注目を集める。翌年の『スピード』(1994年)では、キアヌ・リーブスと共演し、爆走するバスの運転手役を熱演。この映画が世界的なヒットを記録し、一躍スターの座を獲得した。
翌1995年、31歳で主演したロマンティック・コメディ『あなたが寝てる間に…』では、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされ、演技力を評価された。1996年、32歳の時には、ジョン・グリシャム原作の法廷ドラマ『評決のとき』で法学生エレン・ロアークを演じ、シリアスな役柄にも挑戦した。2000年、36歳で主演・製作を兼ねた『デンジャラス・ビューティー』では、FBI捜査官がミスコンに潜入するという役柄でコメディエンヌとしての才能を発揮し、シリーズ化されるヒット作となった。
2005年、41歳のブロックは、バイクビルダーのジェシー・ジェームズと結婚。2009年、45歳のブロックは、実話を基にした『しあわせの隠れ場所』で裕福な家庭の主婦リー・アン・テューイを演じ、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞。同年には『あなたは私の婿になる』で再びゴールデングローブ賞にノミネートされた。2010年、46歳の時、ジェシー・ジェームズとの離婚を発表し、同年、養子のルイス君を迎え入れた。2013年、49歳で主演したSF映画『ゼロ・グラビティ』では、宇宙飛行士ライアン・ストーンを演じ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、キャリアの幅を広げた。
2015年、51歳のブロックは、娘ライラを新たに養子に迎え、同年、写真家のブライアン・ランドールとの交際を開始。2018年、54歳で出演した『オーシャンズ8』では、女性だけの犯罪チームを率いるデビー・オーシャン役を務め、話題を呼んだ。2021年、57歳のブロックは、Netflix映画『消えない罪』で主演・製作を担当し、出所後の元受刑者という重い役柄に挑戦した。2022年、58歳で主演した『ザ・ロストシティ』では、恋愛小説家が冒険に巻き込まれるコメディ作品で、製作も兼ねている。同年には『ブレット・トレイン』にも出演し、幅広いジャンルでの活躍を続けている。
製作者としてのキャリア
サンドラ・ブロックは1998年に自身の制作会社フォーティス・フィルムズを設立し、『デンジャラス・ビューティー』シリーズなど主演作のプロデュースを手がけた。2009年の『しあわせの隠れ場所』では製作総指揮としてアカデミー賞作品賞に貢献し、自身も主演女優賞を受賞している。テレビでも『George Lopez』の制作に関わり、近年は『バード・ボックス』や『ザ・ロストシティ』などの話題作で製作に携わるなど、多方面で活躍している。
受賞歴・代表作
サンドラ・ブロックは、2009年の『しあわせの隠れ場所』でアカデミー賞主演女優賞を受賞した。同年、主演したロマンティック・コメディ『ウルトラ I LOVE YOU!』ではゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)主演女優賞を受賞し、アカデミー賞とラジー賞を同時に受賞した初の俳優となった。
代表作には、アクション映画『スピード』(1994年)、ロマンティック・コメディ『あなたが寝てる間に…』(1995年)、感動ドラマ『しあわせの隠れ場所』(2009年)、SF映画『ゼロ・グラビティ』(2013年)、スリラー映画『バード・ボックス』(2018年)などがある。