ジム・キャリー

カナダの貧困から笑いで世界を変えた、顔芸と模写の名人

ジム・キャリー(本名:ジェームズ・ユージーン・キャリー)は1962年1月17日、カナダ・オンタリオ州ニューマーケットに生まれた。父パーシーはミュージシャン兼会計士、母キャスリーンは主婦であり、4人兄妹の末っ子として育った。幼少期はトロント郊外で過ごし、10代前半に一家の経済状況が急激に悪化。父の失職により家族全員でキャンピングカー生活を余儀なくされるなど、困窮した時期を経験している。

家計を支えるため、15歳で学校を中退し、清掃員や警備員の仕事に就く傍ら、地元トロントのコメディクラブ「Yuk Yuk’s」でスタンダップ・コメディを始めた。当初は不評だったが、練習を重ねて観客の支持を得るようになる。模写芸や顔芸で注目され、徐々にカナダ国内での知名度を高めた後、20代前半でアメリカに拠点を移す。ロサンゼルスでテレビ出演を重ねたのち、ハリウッド進出への足掛かりをつかんでいく。

ジム・キャリーの経歴

俳優としてのキャリア

1981年、19歳のジム・キャリーはテレビ映画『Rubberface』で映像作品に初出演し、1984年にはシットコム『The Duck Factory』で主演を務めた。1985年、23歳のときに映画『Once Bitten』で初の主演を果たし、その後もテレビ出演を重ね、1990年、28歳でスケッチコメディ番組『In Living Color』にレギュラー出演し、模写芸や顔芸で注目を集め、知名度を高めた。

1994年、32歳で『エース・ベンチュラ』『マスク』『ジム・キャリーはMr.ダマー』の3作が公開され、いずれも興行的に成功。ハリウッドのコメディスターとして一気にブレイクした。
1995年、33歳で『バットマン フォーエヴァー』にリドラー役で出演。同年『エース・ベンチュラ2』も公開された。1996年、34歳の『ケーブルガイ』では当時としては破格の2000万ドルの出演料を得た。1997年には『ライアー ライアー』で再び人気を得た。
1998年、36歳で『トゥルーマン・ショー』に主演し、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞。1999年には『マン・オン・ザ・ムーン』で再び同賞を受賞し、ドラマ作品でも評価を確立した。2000年、38歳で『グリンチ』に主演し、『ふたりの男とひとりの女』(2000年)にも出演。2003年には『ブルース・オールマイティ』で主演を務め、世界的な興行成績を記録した。2004年、42歳で『エターナル・サンシャイン』に出演し、英国アカデミー賞にノミネートされた。
2005年、43歳で『ディック&ジェーン 復讐は最高!』に主演。2007年にはスリラー作品『ナンバー23』に挑戦。2008年には『イエスマン』で主演、2009年には『Disney’s クリスマス・キャロル』で声優を務めた。

2010年、48歳で祖父となった。2011年には『ペンギンズ・ライフ』に主演し、2013年には『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』に出演。2014年、52歳で『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』で20年ぶりに同役を演じた。
2015年、53歳のとき、交際相手キャスリオナ・ホワイトの急逝により深い精神的打撃を受ける。2016年には『ダーク・クライム』に主演、2017年にはドキュメンタリー『ジム&アンディ』で話題を呼んだ。
2018年、56歳でテレビシリーズ『Kidding』に主演し、ゴールデングローブ賞にノミネート。2019年には女優ジンジャー・ゴンザガとの交際が報じられ、2020年には『ソニック・ザ・ムービー』で悪役ロボトニック博士を演じ、新たな世代のファン層を開拓した。
2022年、60歳のキャリーは一時的な俳優引退の意向を表明。しかし2024年、『ソニック・ザ・ムービー3』でロボトニック役を再演し、再び注目を集めた。

受賞歴・代表作

1998年の『トゥルーマン・ショー』でゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞し、翌1999年の『マン・オン・ザ・ムーン』でも同賞を連続受賞。アカデミー賞にはノミネート経験がないものの、演技派としての評価を確立した。
代表作には『マスク』『エース・ベンチュラ』『トゥルーマン・ショー』『エターナル・サンシャイン』『ブルース・オールマイティ』などがある。

ジム・キャリーの出演作品(映画解説)

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SF(近未来)

トゥルーマン・ショー (1998)の紹介・評価・レビュー

人生が作られたものだったとしたら、あなたはどうしますか?ーーーー"現実"を問い直すエンターテイメントSF!1998年公開の『トゥルーマン・ショー』は、ピーター・ウィアー監督が手掛けたSFドラマで、ジム・キャリー主演による人間の自由と自己探求をテーマにした物語である。主人公は自分の人生がテレビ番組として世界中に放送されているという真実に気づき、自らの運命を切り開こうとする。
SF(超・能力)

マスク(1994)の解説・評価・レビュー

ジム・キャリーの礎を築いた傑作コメディ!1994年公開の『マスク』は、チャールズ・ラッセルが監督によるアメリカのファンタジー・コメディ映画。ジム・キャリーが主演を務め、カートゥーンのようなポップな演技が特徴のコメディ作品として知られる。
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