ジョージ・ティモシー・クルーニーは、1961年5月6日、アメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントンに生まれた。父親はニュースキャスターのニック・クルーニー、母親は元ミス・ケンタッキーのニーナ・ブルース・ウォーレンであり、家庭環境から幼少期からエンターテインメント業界に親しんでいた。また、叔母に有名な歌手で女優のローズマリー・クルーニーがいる。
学生時代は野球に打ち込み、一時はプロ入りを目指していたが、夢破れた後、俳優の道を志す。1982年、21歳のときにカリフォルニア州に移り、オーディションを受けながら演技を学んだ。1984年にテレビシリーズ『E/R』で小さな役を得たことが俳優としての第一歩となる。その後もテレビドラマを中心にキャリアを積み、1994年、33歳のときに医療ドラマ『ER緊急救命室』のダグ・ロス医師役でブレイク。端正なルックスと親しみやすい演技で人気を博し、ハリウッドの注目を集めるようになった。
ジョージ・クルーニーの経歴
俳優としてのキャリア
ジョージ・クルーニーは、1980年代からテレビドラマを中心に活動していたが、1994年、33歳のときに医療ドラマ『ER緊急救命室』のダグ・ロス医師役で大ブレイクした。シーズン5までレギュラー出演し、この作品での人気を背景にハリウッド映画へと本格的に進出する。
1997年、アクション映画『バットマン & ロビン』でバットマン役を演じたが、批評的には低評価を受けた。しかし、1998年の『アウト・オブ・サイト』でスティーブン・ソダーバーグ監督と初めてタッグを組み、スタイリッシュな犯罪映画で新たな評価を得る。2000年には『オー・ブラザー!』でコーエン兄弟と初めて共演し、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。
2001年、代表作の一つとなる『オーシャンズ11』に主演し、スティーブン・ソダーバーグ監督とのコンビで商業的な大成功を収める。以降、『オーシャンズ12』(2004年)、『オーシャンズ13』(2007年)とシリーズが続き、興行的にも大ヒットした。
演技派俳優としての地位も確立し、2005年の『シリアナ』では石油業界を舞台にした政治スリラーで主演を務め、アカデミー賞助演男優賞を受賞。2009年の『マイレージ、マイライフ』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、シリアスな役柄にも挑戦し、高い評価を受けるようになった。
2010年代以降は、俳優としてだけでなく、監督・プロデューサー業にも力を入れながら、『ゼロ・グラビティ』(2013年)や『ヘイル、シーザー!』(2016年)などの作品に出演。現在もハリウッドを代表する俳優の一人として活躍を続けている。
製作者としてのキャリア
ジョージ・クルーニーは俳優業に加え、監督・プロデューサーとしても精力的に活動している。2000年にスティーブン・ソダーバーグと共同で映画製作会社「セクション・エイト・プロダクションズ」を設立し、『オーシャンズ11』シリーズ(2001年〜2007年)や『グッドナイト&グッドラック』(2005年)などの作品を手がけた。
2005年、『グッドナイト&グッドラック』では監督・脚本・主演を務め、1950年代の赤狩りを題材にしたモノクロ映画として話題を集めた。この作品はアカデミー賞6部門にノミネートされ、クルーニー自身も監督賞と脚本賞にノミネートされた。
その後も『リーダーズ』(2008年)、『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』(2011年)、『ミケランジェロ・プロジェクト』(2014年)などで監督を務め、社会派作品を中心に製作活動を続ける。2013年には『アルゴ』の製作に携わり、同作がアカデミー賞作品賞を受賞するなど、プロデューサーとしての手腕も高く評価されている。
2016年にはグラント・ヘスロヴと共同で映画製作会社「スモークハウス・ピクチャーズ」を設立。近年ではNetflix映画『ミッドナイト・スカイ』(2020年)で監督・主演を務め、幅広いジャンルでの映画製作に携わっている。
受賞歴・代表作
ジョージ・クルーニーは、俳優・監督・プロデューサーとして数々の映画賞を受賞している。2005年の『シリアナ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、俳優としての実力を確立。さらに、2012年には『アルゴ』の製作を担当し、アカデミー賞作品賞を受賞した。監督としても『グッドナイト&グッドラック』(2005年)でアカデミー賞監督賞と脚本賞にノミネートされるなど、多方面で評価を受けている。
代表作としては、彼のキャリアを飛躍させた医療ドラマ『ER緊急救命室』(1994年~1999年)、スティーブン・ソダーバーグ監督のクライム映画『アウト・オブ・サイト』(1998年)、そして大ヒットシリーズ『オーシャンズ11』(2001年)をはじめとする『オーシャンズ12』(2004年)、『オーシャンズ13』(2007年)がある。
シリアスな作品では『シリアナ』(2005年)や『マイレージ、マイライフ』(2009年)で高く評価され、SF作品『ゼロ・グラビティ』(2013年)ではサンドラ・ブロックと共演し、興行的成功を収めた。近年では『ミッドナイト・スカイ』(2020年)で監督・主演を務めるなど、俳優・映画製作者として多彩なキャリアを築いている。