ダスティン・ホフマンは、1960年代から活躍するアメリカの俳優であり、繊細な演技と多彩な役柄で映画史に名を刻む名優の一人である。1937年8月8日生まれ。1967年の『卒業』で主演を務め、一躍スターとなる。以降、『真夜中のカーボーイ』(1969年)、『大統領の陰謀』(1976年)、『クレイマー、クレイマー』(1979年)など、社会的テーマを持つ作品に数多く出演。『クレイマー、クレイマー』ではアカデミー賞主演男優賞を受賞し、演技派俳優としての評価を確立した。
1988年には『レインマン』でサヴァン症候群の男性を演じ、2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞。以降も『フック』(1991年)、『アウトブレイク』(1995年)、『ミート・ザ・ペアレンツ2』(2004年)など、幅広いジャンルの作品に出演。2012年には『カルテット! 人生のオペラハウス』で映画監督デビューも果たした。近年も俳優活動を続けており、長年にわたって映画界に大きな影響を与えている。
ダスティン・ホフマンの経歴
俳優としてのキャリア
ダスティン・ホフマンは、1960年代に舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、1967年の『卒業』で映画デビュー。内気な大学生ベンジャミンを演じ、一躍スターとなる。本作は社会現象を巻き起こし、ホフマンはアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた。
1969年の『真夜中のカーボーイ』では、落ちぶれた詐欺師ラッツォを演じ、リアルな演技が高く評価される。続く1970年代には、『大統領の陰謀』(1976年)でウォーターゲート事件を追う新聞記者役を熱演し、社会派映画での存在感を確立。1979年の『クレイマー、クレイマー』では、息子の親権を巡る父親を演じ、アカデミー賞主演男優賞を初受賞した。
1980年代には、コメディ要素のある作品にも挑戦し、『トッツィー』(1982年)では女性に変装する俳優役でアカデミー賞にノミネート。1988年の『レインマン』ではサヴァン症候群の兄を演じ、トム・クルーズとの共演で話題を集め、2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞した。
1990年代以降も幅広いジャンルで活躍し、『フック』(1991年)ではピーター・パンの宿敵フック船長を怪演。『アウトブレイク』(1995年)ではウイルス感染拡大を防ぐ医師役として、社会的なテーマに取り組んだ。2000年代には、『ミート・ザ・ペアレンツ2』(2004年)などのコメディ作品にも出演し、新たなファン層を獲得。
2012年には『カルテット! 人生のオペラハウス』で映画監督デビューを果たし、キャリアの幅をさらに広げた。近年も映画・テレビでの出演を続け、名優としての地位を確立している。
製作者としてのキャリア
ダスティン・ホフマンは、俳優業に加えて製作者としても活動しており、映画やテレビ作品の制作に関与してきた。特に、キャリア後半にはプロデューサーや監督としての役割を強め、映画業界への貢献を続けている。
2012年には『カルテット! 人生のオペラハウス』で映画監督デビュー。本作は、引退したオペラ歌手たちが織り成す心温まるドラマで、ホフマンの繊細な演出が評価された。これにより、俳優だけでなく、映画作りの才能も発揮することとなった。
また、テレビドラマの分野にも進出し、2011年にはHBOのドラマシリーズ『ラック』で製作総指揮を務めながら主演を務めた。同作は競馬界を舞台にした社会派ドラマであり、ホフマンのリアルな演技と制作面での関与が話題となった。
近年では、映画制作の現場からやや距離を置きつつも、新人監督や俳優の支援に力を注いでおり、映画界の発展に貢献し続けている。俳優としての経験を活かしながら、製作者としての影響力も発揮するなど、多方面で活躍を続けている。
受賞歴・代表作
ダスティン・ホフマンは、『クレイマー、クレイマー』(1979年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、父親役としての繊細な演技が高く評価された。続く『レインマン』(1988年)ではサヴァン症候群の男性を演じ、2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞。アカデミー賞には計7回ノミネートされており、他にも『卒業』(1967年)、『真夜中のカーボーイ』(1969年)、『トッツィー』(1982年)などで主演男優賞候補となった。ゴールデングローブ賞では主演男優賞を複数回受賞し、ハリウッドの名優としての地位を確立している。
代表作には、彼のキャリアを決定づけた『卒業』(1967年)があり、新世代の若者像を象徴する作品として映画史に刻まれている。『真夜中のカーボーイ』(1969年)では、貧困にあえぐ詐欺師役を熱演し、社会派映画の代表作となった。『クレイマー、クレイマー』(1979年)では、シングルファーザーとしての葛藤を描き、観客の共感を呼んだ。『レインマン』(1988年)では、サヴァン症候群の兄を演じ、名演技として称えられた。さらに、『トッツィー』(1982年)では、女性に変装する売れない俳優を演じ、コメディでもその実力を発揮。近年では、『カルテット! 人生のオペラハウス』(2012年)で監督デビューを果たし、映画業界への貢献を続けている。