デミ・ムーアは、1980年代から1990年代にかけてハリウッドで活躍し、トップスターの一人となったアメリカの俳優・プロデューサーである。1962年11月11日生まれ。1980年代に青春映画『セント・エルモス・ファイアー』(1985年)で注目を集め、その後『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)で世界的な名声を獲得。感動的なラブストーリーのヒロインとして、観客の心をつかんだ。
1990年代には、『ア・フュー・グッドメン』(1992年)、『幸福の条件』(1993年)、『G.I.ジェーン』(1997年)などの話題作に出演し、女性スターとしての地位を確立。特に『幸福の条件』では当時のハリウッド女優として史上最高額の出演料を記録し、大きな話題となった。2000年代以降は俳優業を抑え、プロデューサーとしての活動を本格化。Netflix作品を含む映画やドキュメンタリーの制作にも携わり、ハリウッドのビジネス面でも影響力を持ち続けている。
デミ・ムーアの経歴
俳優としてのキャリア
デミ・ムーアの俳優キャリアは、1980年代初頭のテレビドラマや低予算映画への出演から始まった。1985年に出演した青春映画『セント・エルモス・ファイアー』で注目を集め、「ブラット・パック」(1980年代に活躍した若手俳優グループ)の一員として認知されるようになる。その後、『きのうの夜は…』(1986年)などで着実にキャリアを重ね、ロマンティックな役柄を中心に人気を得た。
1990年、『ゴースト/ニューヨークの幻』で主人公モリー役を演じ、世界的なスターとなる。本作は興行的に大ヒットし、ムーアの演技も高く評価された。続く『ア・フュー・グッドメン』(1992年)ではトム・クルーズ、ジャック・ニコルソンと共演し、法廷ドラマに挑戦。1993年の『幸福の条件』では、100万ドルという当時のハリウッド女優として最高額のギャラを受け取り、話題を集めた。
1996年には『素顔のままで』でストリッパー役を演じるなど、新たな挑戦を続ける。1997年には『G.I.ジェーン』で坊主頭の女性兵士役に挑み、肉体的にも精神的にも過酷な役作りを行った。しかし、1990年代後半以降はキャリアの低迷期を迎え、2000年代以降は俳優活動を抑えながら、プロデューサーとしての活動を本格化させた。
2010年代以降も、『マイ・ブラザー・キム』(2011年)や『ラブ・レッスン』(2012年)などに出演し、独立系映画やテレビシリーズへ活動の幅を広げている。近年では、Netflix作品やHBOドラマなどにも出演し、キャリアを維持しながら新たな分野にも挑戦を続けている。
製作者としてのキャリア
デミ・ムーアは、俳優業に加えてプロデューサーとしても活躍している。1990年代後半から映画制作に関与し、1997年には自身が主演を務めた『G.I.ジェーン』で製作総指揮を担当。その後、2000年に制作会社「Moving Pictures」を設立し、映画やテレビ番組のプロデュースを手掛けるようになった。
2000年代には、アシュトン・カッチャーと共同でNetflixのドキュメンタリー作品やインディペンデント映画の制作に関わり、映像業界のビジネス面でも影響力を発揮。『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003年)ではプロデューサーとしての経験を活かしながら、ヴィラン役としての演技も話題となった。
近年では、HBOのドキュメンタリーシリーズや、女性監督・脚本家を支援するプロジェクトにも積極的に参加。2020年には、オーディオドラマ『Dirty Diana』の制作・主演を務め、Amazonによる映像化プロジェクトにも関与している。俳優としての経験を活かしながら、映画・テレビ業界の多様な分野で影響を与え続けている。
受賞歴・代表作
デミ・ムーアは、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)で国際的なスターとなり、同作はアカデミー賞作品賞にノミネートされるなど高い評価を受けた。また、『ア・フュー・グッドメン』(1992年)では、トム・クルーズやジャック・ニコルソンと共演し、法廷ドラマの緊張感ある演技が称賛された。1990年代にはハリウッド女優として最高額の出演料を記録し、『幸福の条件』(1993年)や『素顔のままで』(1996年)などで話題を集めた。2000年代以降はプロデューサーとしても活動し、映画やドキュメンタリーの制作に携わるなど、業界内での影響力を広げている。
代表作には、世界的なヒットを記録した『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)があり、悲しみと愛を繊細に表現した演技で観客の心をつかんだ。『ア・フュー・グッドメン』(1992年)では、厳格な軍法会議を巡る法廷ドラマに挑戦し、知的な女性弁護士役を熱演。『幸福の条件』(1993年)では、倫理的な選択を迫られる女性を演じ、当時のハリウッドで最高額のギャラを受け取る話題作となった。『G.I.ジェーン』(1997年)では、米軍の特殊訓練に挑む女性兵士役を演じ、体当たりの演技で注目を集めた。2000年代以降は、『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003年)でのヴィラン役や、Netflix作品『ブラインド』(2017年)などに出演し、俳優としての活動を続けながら製作にも関わっている。