トム・クルーズ

トム・クルーズ(本名:トーマス・クルーズ・メイポーザー4世)は、1962年7月3日、アメリカ・ニューヨーク州シラキュースに生まれる。父親は電気技師、母親は教師であり、家庭は決して裕福ではなかった。クルーズはカトリックの家庭で育ち、幼少期から各地を転々とする生活を送った。

学生時代はスポーツに熱中し、特にレスリングに力を入れていたが、膝の負傷によって競技を断念。これを機に演劇に興味を持ち、高校の舞台劇に出演したことが俳優を志すきっかけとなる。その後、18歳でニューヨークへ移り、俳優としてのキャリアを目指してオーディションを受けるようになる。1981年、『エンドレス・ラブ』で端役ながらスクリーンデビューを果たし、同年の『タップス』で主要キャストに抜擢される。

トム・クルーズの経歴

俳優としてのキャリア

1981年、19歳のトム・クルーズは『エンドレス・ラブ』でスクリーンデビュー。同年、20歳で出演した『タップス』では士官候補生役を演じ、若手ながら印象的な演技を見せた。1983年、21歳で主演を務めた『卒業白書』がヒットし、ハリウッドの注目を集める。同年には『アウトサイダー』にも出演し、当時の若手スターたちと共に次世代のスター候補と目されるようになった。

1986年、24歳で主演した『トップガン』が世界的大ヒットを記録し、名実ともにスターの座を確立。続く1988年には『カクテル』、ダスティン・ホフマンと共演した『レインマン』が公開され、後者はアカデミー賞作品賞を受賞。翌1989年、27歳で『7月4日に生まれて』に主演し、初めてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
1990年、28歳のクルーズは女優のミミ・ロジャースと結婚。しかし、翌1991年に離婚し、同年、撮影を通じて知り合ったニコール・キッドマンと再婚。1992年には『ア・フュー・グッドメン』でジャック・ニコルソンと共演し、俳優としての評価をさらに高めた。1994年、32歳で『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に出演し、ヴァンパイア役に挑戦。1996年、34歳のときに主演・製作を兼ねた『ミッション:インポッシブル』が公開され、興行的に大成功を収める。
1999年、36歳で『アイズ ワイド シャット』に主演。同作はスタンリー・キューブリック監督の遺作となった。同年、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞。2001年、39歳で『バニラ・スカイ』に出演したが、この頃、キッドマンとの離婚を発表。その後、2006年にはケイティ・ホームズとの交際が公になり、2006年、44歳で結婚。同年には『M:i:III』が公開され、シリーズが本格的に継続されることが決定した。

2012年、50歳で『アウトロー』に主演。同年、ホームズとの離婚が成立。その後もアクション映画を中心に活躍を続け、2015年には『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、2018年には『フォールアウト』で再び自ら危険なスタントをこなす姿が話題となった。
2022年、60歳で『トップガン マーヴェリック』が公開され、世界的な大ヒットを記録。キャリア40年以上を経てもなお、第一線で活躍する俳優としての地位を確立し続けている。

製作者としてのキャリア

トム・クルーズは俳優業だけでなく、映画制作にも積極的に関わっている。1996年には製作会社「クルーズ/ワグナー・プロダクションズ」を設立し、同年公開の『ミッション:インポッシブル』では主演と製作を兼任。シリーズは大ヒットを記録し、以降の続編でもプロデューサーとして深く関与している。

2000年代以降は、アクション映画だけでなく、ドラマ作品の製作にも携わり、『ラスト サムライ』(2003年)では製作総指揮を務め、日本文化を重視した作品作りに貢献した。また、『ワルキューレ』(2008年)ではナチス暗殺計画を描いた史実映画に主演し、製作面でもリアリティを追求した。

2010年代以降も『ミッション:インポッシブル』シリーズの製作を継続しつつ、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)などの作品でプロデューサーを務め、映画のクオリティ向上に尽力。特に、『トップガン マーヴェリック』では最新技術を駆使し、リアルな空中戦を実現するために膨大な準備を行い、大ヒットへと導いた。

スタントを自らこなすことで知られるトム・クルーズは、製作段階からアクションシーンの精度にこだわり、映画業界において独自のポジションを築いている。

受賞歴・代表作

1989年の『7月4日に生まれて』でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞。1996年の『ザ・エージェント』でも同賞を受賞し、1999年の『マグノリア』ではゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得した。

代表作には、『トップガン』(1986年)、『レインマン』(1988年)、『ミッション:インポッシブル』(1996年)、『ラスト サムライ』(2003年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)などがある。特に『ミッション:インポッシブル』シリーズは、25年以上にわたって続く大ヒットシリーズとなる。

2023年には映画界への貢献が認められ、MTVムービー・アワードで生涯功労賞を受賞。

トム・クルーズの出演作品(映画解説)

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ヒューマンドラマ

トップガン マーヴェリック(2022)の解説・評価・レビュー

トム・クルーズ36年ぶりの続編!『トップガン マーヴェリック』(原題:Top Gun: Maverick)は、2022年に公開されたアメリカのアクション映画。トム・クルーズが主演と製作を務め、監督は『オブリビオン』でもトムとタッグを組んだジョセフ・コシンスキーが担当した。1986年の大ヒット作『トップガン』の36年ぶりとなる続編
ガンアクション

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)の解説・評価・レビュー

王道スパイアクション・シリーズ4作目!『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(原題: <em>Mission: Impossible - Ghost Protocol</em>)は、2011年に公開されたアクションスパイ映画であり、『ミッション:インポッシブル』シリーズの第4作目である。
歴史ドラマ

ラスト サムライ(2003)の解説・評価・レビュー

『ラスト サムライ』(原題:The Last Samurai)は、2003年に公開されたエドワード・ズウィック監督による歴史アクション映画。主演のトム・クルーズは、アメリカ陸軍の元大尉ネイサン・オールグレンを演じ、明治維新期の日本を舞台に、サムライと武士道をテーマとした物語が展開する。
スポーツドラマ

ザ・エージェント(1996)の解説・評価・レビュー

『ザ・エージェント』は、1996年に公開されたキャメロン・クロウ監督・脚本によるヒューマンドラマで、トム・クルーズが主演を務めた。主人公ジェリー・マグワイア(トム・クルーズ)は、スポーツエージェントとして成功を収めていたが、業界の非情なビジネス方針に疑問を抱き、大きな決断を下す。
スパイアクション

ミッション:インポッシブル(1996)の解説・評価・レビュー

スパイ映画の新たな時代を築いた作品!1996年公開の『ミッション:インポッシブル』は、ブライアン・デ・パルマ監督が手がけ、トム・クルーズが主演・プロデューサーを務めたスパイアクション映画。1960年代のテレビシリーズ『スパイ大作戦』を原作とし、ハリウッド流のスリルとアクションを加えて現代風にアレンジした作品である。
クライムサスペンス

ア・フュー・グッドメン(1992)の解説・評価・レビュー

若きトム・クルーズによる熱い海軍法定ドラマ!1992年公開の『ア・フュー・グッドメン』は、ロブ・ライナー監督による法廷サスペンス映画である。主演はトム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーア。軍内部の腐敗と正義を巡る攻防を描く。
ヒストリー

7月4日に生まれて (1989)の解説・評価・レビュー

愛国心の在り方を問う、アメリカの反戦映画!1989年公開の『7月4日に生まれて』は、 オリバー・ストーン監督 による戦争ドラマ映画で、ベトナム戦争帰還兵 ロン・コーヴィック の自伝を基にした作品。主演のトム・クルーズ が、愛国心に燃えて戦争に参加するも、戦場の過酷な現実に直面し、帰国後に反戦運動へと転じていく男の姿を熱演した。
ヒューマンドラマ

レインマン (1988)の解説・評価・レビュー

1980年代の傑作ロードムービー!1988年公開の『レインマン』(原題:Rain Man)は、 バリー・レヴィンソン監督 によるヒューマンドラマで、主演は ダスティン・ホフマン と トム・クルーズ。自閉症の兄とその弟が旅を通じて絆を深めていく物語であり、感動的かつユーモラスな展開が特徴の作品である。
青春・学校ドラマ

カクテル (1988)の解説・評価・レビュー

トム・クルーズ主演!青春バーテンダー映画!1988年公開の『カクテル』は、ロジャー・ドナルドソン監督 による青春ドラマ映画で、トム・クルーズ が主演を務めた。バーテンダーの世界を舞台に、成功を夢見る若者の成長と恋愛を描く作品であり、トム・クルーズのスター性を決定づけた一作として知られる。
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