トム・ハンクスは、アメリカを代表する俳優・プロデューサーであり、1980年代から現在に至るまで長年にわたり第一線で活躍している。1956年7月9日生まれ。1980年代にはコメディ映画で人気を博し、『ビッグ』(1988年)でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた。1990年代以降はシリアスな役柄にも挑戦し、『フィラデルフィア』(1993年)と『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)でアカデミー賞主演男優賞を2年連続で受賞。これにより、ハリウッドを代表する演技派俳優としての地位を確立した。その後も、『プライベート・ライアン』(1998年)、『キャスト・アウェイ』(2000年)、『ターミナル』(2004年)など多くの名作に主演し、幅広いジャンルで成功を収めている。
また、アニメ映画『トイ・ストーリー』シリーズではウッディの声を担当し、親しみやすいキャラクターとしても広く認知されている。近年は俳優業に加え、製作にも積極的に関与し、テレビドラマや歴史映画のプロデュースを手掛けている。温かみのある演技と高い演技力で、多くの視聴者に愛され続ける存在である。
トム・ハンクスの経歴
俳優としてのキャリア
トム・ハンクスの俳優キャリアは、1980年代のコメディ映画から始まった。初期の代表作『スプラッシュ』(1984年)や『ビッグ』(1988年)では、親しみやすくユーモラスな演技が評価され、『ビッグ』ではアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた。その後も『ターナー&フーチ』(1989年)や『めぐり逢えたら』(1993年)などの作品で、コメディやロマンス映画のスターとしての地位を確立した。
しかし、1993年の『フィラデルフィア』でエイズを患う弁護士役を演じたことをきっかけに、シリアスな役柄にも挑戦し始める。同作でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、翌年には『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)で同賞を再び受賞。これにより、演技派俳優としての評価を決定的なものにした。
1990年代後半から2000年代にかけては、『プライベート・ライアン』(1998年)や『キャスト・アウェイ』(2000年)などの作品で主演を務め、シリアスなドラマからアクション映画まで幅広いジャンルで成功を収める。また、『トイ・ストーリー』シリーズ(1995年~)では、ウッディの声を担当し、アニメ映画の分野でも大きな存在感を示した。
2000年代以降も、『ターミナル』(2004年)、『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)、『キャプテン・フィリップス』(2013年)、『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)などの話題作に次々と出演。近年では『A Man Called Otto』(2022年)などの作品にも出演し、円熟味を増した演技を見せている。コメディからシリアスなドラマまで幅広い役をこなす俳優として、ハリウッドで不動の地位を築いている。
製作者としてのキャリア
トム・ハンクスは俳優業だけでなく、製作者としても高い評価を得ている。1990年代後半から映画・テレビのプロデュースに積極的に関与し、自身の制作会社「プレイトーン(Playtone)」を設立。特に歴史を題材にした作品に力を入れ、戦争ドラマや宇宙開発をテーマにしたプロジェクトで成功を収めている。
代表的なプロデュース作品には、スティーヴン・スピルバーグと共同制作したHBOの戦争ドラマ『バンド・オブ・ブラザース』(2001年)や、その続編的作品である『ザ・パシフィック』(2010年)がある。どちらも第二次世界大戦を描き、高い評価を受け、エミー賞などの主要な賞を多数受賞した。また、宇宙開発をテーマにしたテレビシリーズ『フロム・ジ・アース/人類、月に立つ』(1998年)では、製作総指揮を務めるとともに出演も果たしている。
映画プロデューサーとしても、『キャスト・アウェイ』(2000年)や『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(2002年)、『マンマ・ミーア!』(2008年)などの商業的に成功した作品を手掛けた。特に『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』は低予算ながら世界的なヒットを記録し、インディペンデント映画の成功例として知られている。
近年では、第二次世界大戦を描いた『グレイハウンド』(2020年)や、Apple TV+のドラマシリーズ『Masters of the Air』(2024年)などの制作にも関与。歴史的なテーマを掘り下げた作品を中心に、映像制作の分野でも影響力を持ち続けている。俳優としてのキャリアと並行しながら、製作者としてもハリウッドに大きな足跡を残している。
受賞歴・代表作
トム・ハンクスは、『フィラデルフィア』(1993年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、翌年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)でも同賞を獲得。史上数少ない2年連続の受賞者となった。その後も『プライベート・ライアン』(1998年)、『キャスト・アウェイ』(2000年)でアカデミー賞にノミネートされ、確かな演技力を証明し続けている。ゴールデングローブ賞では複数回の受賞歴があり、俳優としての評価は不動のものとなっている。
代表作には、アメリカの歴史や社会を背景にした作品が多い。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)では、純粋な青年の人生を通してアメリカ現代史を描き、高い評価を得た。『プライベート・ライアン』(1998年)では、第二次世界大戦を舞台にしたリアルな戦争映画に主演し、迫真の演技を見せた。『キャスト・アウェイ』(2000年)では、孤島でのサバイバル生活をほぼ一人芝居で演じ、観客を惹きつけた。『トイ・ストーリー』シリーズ(1995年~)では、ウッディの声を担当し、アニメ映画の歴史にも名を刻んでいる。近年では、『A Man Called Otto』(2022年)で円熟した演技を披露し、キャリアを重ね続けている。