ヒュー・グラントは、英国出身の俳優であり、90年代から2000年代にかけてロマンティック・コメディのジャンルで世界的な成功を収めた。代表作には『フォー・ウェディング』(1994)、『ノッティングヒルの恋人』(1999)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)などがあり、軽妙な演技とユーモラスなキャラクターで多くの視聴者を魅了した。
オックスフォード大学を卒業後、舞台やテレビでキャリアをスタートさせたグラントは、1987年の『モーリス』で注目を集めた。その後、『フォー・ウェディング』の大ヒットにより、一躍トップスターとなり、ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。知的で皮肉交じりのユーモアを持つ英国紳士のイメージを確立し、ラブコメの第一人者として長年にわたり活躍を続けてきた。
近年は『パディントン2』(2017)や『ガイ・リッチーのジェントルメン』(2019)などで悪役やクセの強いキャラクターにも挑戦し、俳優としての幅を広げている。
ヒュー・グラントの経歴
俳優としてのキャリア
ヒュー・グラントは1980年代から映画・テレビドラマに出演し、徐々にキャリアを築いていった。1987年の『モーリス』でヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞し、注目を集める。90年代に入ると、『フォー・ウェディング』(1994)の世界的ヒットによりスターの地位を確立し、ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。その後も、『ノッティングヒルの恋人』(1999)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)、『ラブ・アクチュアリー』(2003)など、ロマンティック・コメディのジャンルで成功を収めた。
しかし、2000年代後半には出演作が減少し、一時的に俳優業から距離を置く時期もあった。復帰後は、従来のロマコメ路線を離れ、シリアスな役や個性的な悪役に挑戦。『パディントン2』(2017)では自己中心的な元俳優を演じ、英国アカデミー賞(BAFTA)助演男優賞にノミネートされた。また、『ガイ・リッチーのジェントルメン』(2019)では謎めいたジャーナリスト役を演じ、コメディとサスペンスを融合させた新たな演技を見せた。
近年はNetflixやHBOといった配信作品にも積極的に出演し、『ザ・アンディドゥイング』(2020)ではニコール・キッドマンと共演し、心理サスペンスドラマにも挑戦。これまでのロマンティック・コメディのイメージを超え、多彩な演技力を発揮し続けている。
製作者としてのキャリア
ヒュー・グラントは俳優業に加え、製作の分野にも関心を持ち、いくつかの作品で製作総指揮を務めている。特に、2000年に自身の製作会社「シミアン・フィルムズ(Simian Films)」を設立し、パートナーであるエリザベス・ハーレーとともに映画製作に携わった。
シミアン・フィルムズは『Mickey Blue Eyes』(1999)や『極悪非道のムービー・スター』(2002)などの作品を手がけたが、大きな成功には至らず、2005年に事実上の活動停止となった。その後、グラントは製作業から距離を置き、俳優業に専念する道を選んだ。
近年は、プロデューサーとしての活動は控えているものの、映画・テレビドラマのプロジェクトにおいて、脚本の選定や企画の段階から積極的に関与することもあり、作品のクリエイティブな方向性に影響を与えている。
受賞歴・代表作
ヒュー・グラントはアカデミー賞の受賞歴はないが、1994年の『フォー・ウェディング』でゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)と英国アカデミー賞(BAFTA)主演男優賞を受賞し、国際的に評価を受けた。代表作には、ロマンティック・コメディの代表的作品である『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』のほか、シリアスな演技を見せた『アバウト・ア・ボーイ』や ensemble cast による群像劇『ラブ・アクチュアリー』がある。