ヒュー・ジャックマン(本名:ヒュー・マイケル・ジャックマン)は、1968年10月12日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニーに生まれた。両親はともにイギリス出身で、彼は5人兄弟の末っ子として育った。幼少期に両親が離婚し、父親に引き取られたジャックマンは、学校生活の中で演劇に興味を持つようになる。
大学ではジャーナリズムを専攻していたが、演技への情熱を捨てきれず、卒業後に演劇学校へ進学。1994年に西オーストラリア演劇芸術学院(WAAPA)を卒業し、本格的に俳優の道を歩み始めた。オーストラリア国内のテレビドラマや舞台でキャリアを積んだ後、1999年にロンドンでミュージカル『オクラホマ!』の主役を務め、国際的に注目されるようになった。この成功がきっかけとなり、2000年に『X-MEN』のウルヴァリン役に抜擢され、ハリウッドでのキャリアが大きく開かれた。
ヒュー・ジャックマンの経歴
俳優としてのキャリア
ヒュー・ジャックマンは、2000年の『X-MEN』でウルヴァリン役を演じ、一躍ハリウッドスターの仲間入りを果たした。当初は別の俳優がキャスティングされていたが、降板により急遽ジャックマンが抜擢された。結果的にこの役は彼の代表作となり、その後2017年の『LOGAN/ローガン』まで17年間にわたり演じ続けることとなる。シリーズを通じて、タフでありながらも内面に葛藤を抱えるウルヴァリン像を確立し、ファンの間で絶大な支持を得た。
アクション映画だけでなく、ミュージカルやドラマ作品でも評価を高めた。2001年の『ニューヨークの恋人』では、ラブコメディに挑戦し、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネート。2006年にはクリストファー・ノーラン監督の『プレステージ』でクリスチャン・ベールと共演し、俳優としての演技力の幅を示した。同年、『X-MEN: ファイナル ディシジョン』のほか、『ファウンテン 永遠につづく愛』、『タロットカード殺人事件』など多彩なジャンルの作品に出演し、活動の幅を広げた。
2012年の『レ・ミゼラブル』ではジャン・バルジャン役を演じ、圧倒的な歌唱力と演技が絶賛され、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、ミュージカル俳優としての才能を証明した。さらに、2017年の『グレイテスト・ショーマン』では、実在の興行師P・T・バーナムを演じ、劇中歌「The Greatest Show」や「This Is Me」も話題となり、世界的な大ヒットを記録した。
また、2024年公開予定の『デッドプール3』では、ウルヴァリン役として再びスクリーンに復帰することが発表され、ファンの期待が高まっている。ヒュー・ジャックマンは、アクション、ドラマ、ミュージカルと幅広いジャンルで活躍する、現代ハリウッドを代表する俳優の一人である。
製作者としてのキャリア
ヒュー・ジャックマンは俳優としてだけでなく、映画や舞台の製作にも積極的に関与し、自身のプロダクションを通じて多くの作品に携わっている。2005年にプロデューサーのジョン・パレルモと共同でシード・プロダクションズを設立し、映画やテレビシリーズの企画・製作を手がけた。
シード・プロダクションズの最初の大きなプロジェクトは、2008年の映画『X-MEN ZERO: ウルヴァリン』で、ジャックマンは主演だけでなく製作総指揮も務めた。同作はウルヴァリンの起源を描くスピンオフ作品として制作され、シリーズのさらなる拡張に貢献した。
また、2011年には、ロボット格闘をテーマにしたSF映画『リアル・スティール』にも製作総指揮として関与。2017年の『グレイテスト・ショーマン』では、企画段階から深く関与し、主演としてだけでなく製作面でも大きな役割を果たした。本作はジャックマンが長年にわたり実現を望んでいた作品であり、10年以上の歳月をかけて制作された。結果として世界的に大ヒットし、サウンドトラックも高い評価を受けた。
さらに、舞台作品のプロデュースにも力を入れており、ブロードウェイでの活動にも積極的に関与している。2022年には、ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』で主演を務めつつ、製作にも関わり、舞台俳優としての実力を改めて証明した。
ヒュー・ジャックマンは、俳優としての枠にとどまらず、映画や舞台の制作にも情熱を注ぎ、エンターテインメント業界の発展に貢献し続けている。
受賞歴・代表作
ヒュー・ジャックマンは、俳優としての幅広い活躍が評価され、数々の映画賞や舞台賞を受賞してきた。2004年にはブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ボーイ・フロム・オズ』での演技が評価され、トニー賞主演男優賞(ミュージカル部門)を受賞。映画では、2012年の『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。ゴールデングローブ賞では主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、その歌唱力と演技力を証明した。
代表作には、『X-MEN』シリーズ(2000年~2017年)、『プレステージ』(2006年)、『レ・ミゼラブル』(2012年)、『グレイテスト・ショーマン』(2017年)、『LOGAN/ローガン』(2017年)などがある。特に、『X-MEN』シリーズでのウルヴァリン役は彼のキャリアを象徴するものとなり、2017年の『LOGAN/ローガン』では、同キャラクターの集大成として高い評価を受けた。
ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』では、興行的にも大成功を収め、映画のサウンドトラックは世界的にヒット。特に主題歌「This Is Me」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞するなど、映画音楽の面でも大きな影響を与えた。
2024年公開予定の『デッドプール3』では、ウルヴァリン役として再びスクリーンに戻ることが発表されており、今後の活躍にも注目が集まっている。ヒュー・ジャックマンは、アクション、ミュージカル、ドラマと多彩なジャンルで活躍する俳優として、ハリウッドを代表する存在となっている。