メリル・ストリープは、映画史上最多のアカデミー賞ノミネート記録を持つアメリカの俳優であり、その圧倒的な演技力と多彩な役柄で知られる。1949年6月22日生まれ。1970年代に映画界へ進出し、『ディア・ハンター』（1978年）でアカデミー賞助演女優賞に初ノミネート。続く『クレイマー、クレイマー』（1979年）で同賞を受賞し、演技派俳優としての地位を確立した。
1980年代以降、『ソフィーの選択』（1982年）、『プラダを着た悪魔』（2006年）、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』（2011年）など、ジャンルを問わず数多くの名作に出演。アカデミー賞では主演・助演合わせて20回以上のノミネートを誇り、3度の受賞を果たしている。舞台・映画・テレビと幅広い分野で活躍し、長年にわたりハリウッドを代表する俳優の一人としてその名を刻んでいる。
メリル・ストリープの経歴
俳優としてのキャリア
メリル・ストリープは、1970年代に舞台女優としてキャリアをスタートさせ、1977年に映画デビュー。翌年、『ディア・ハンター』（1978年）でアカデミー賞助演女優賞に初ノミネートされ、一躍注目を集めた。続く『クレイマー、クレイマー』（1979年）では、家族をめぐる葛藤を繊細に演じ、アカデミー賞助演女優賞を受賞。以降、演技派俳優として確固たる地位を築いた。
1980年代には、『ソフィーの選択』（1982年）でアカデミー賞主演女優賞を受賞。ポーランド訛りを完璧にマスターし、壮絶な過去を持つ女性を演じた演技は、彼女のキャリアを象徴するものとなった。その後も『愛と哀しみの果て』（1985年）や『心みだれて』（1986年）などで主演を務め、確かな実力を示し続けた。
1990年代以降も、社会派ドラマからコメディまで幅広いジャンルに挑戦し、『マディソン郡の橋』（1995年）や『アダプテーション』（2002年）などの作品で高い評価を得た。2006年には、『プラダを着た悪魔』でファッション業界のカリスマ編集長を演じ、新たな代表作を生み出した。2011年の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』ではイギリスの元首相マーガレット・サッチャーを演じ、アカデミー賞主演女優賞を受賞。
近年では、『マダム・フローレンス！ 夢見るふたり』（2016年）、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』（2019年）、『ドント・ルック・アップ』（2021年）などに出演し、年齢を重ねても第一線で活躍。圧倒的な演技力と役柄への深い没入で、長年にわたり映画界のトップに君臨し続けている。
製作者としてのキャリア
メリル・ストリープは、俳優としての活躍に加え、製作者としても映画業界に貢献している。2010年代以降、女性映画人の支援や映画製作に積極的に関与するようになり、特に女性監督や脚本家のプロジェクトを支援する活動に力を入れている。
2015年には、女性脚本家の支援を目的とした「The Writers Lab」を設立し、40歳以上の女性による映画脚本の開発をサポート。この取り組みは、ハリウッドにおけるジェンダー平等の推進にも大きく寄与した。また、NetflixやAmazon Studiosなどのストリーミング作品にも関与し、映画界の変化に対応したプロデュース活動を行っている。
製作に関与した作品の一例としては、『マダム・フローレンス！ 夢見るふたり』（2016年）があり、主演としてだけでなく、プロジェクトの推進にも関与。2020年には『レット・ゼム・オール・トーク』で製作にも携わり、インディペンデント映画の分野にも進出した。
今後も俳優業と並行して、映画制作の分野での活動を継続し、ハリウッドの多様性推進や女性映画人の支援に貢献し続けると見られている。
受賞歴・代表作
メリル・ストリープは、アカデミー賞で史上最多の21回ノミネートを誇り、『クレイマー、クレイマー』（1979年）、『ソフィーの選択』（1982年）、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』（2011年）で主演・助演を含め3度の受賞を果たした。ゴールデングローブ賞では8度の受賞を記録し、映画界における最も権威ある俳優の一人としてその名を刻んでいる。また、2017年にはセシル・B・デミル賞を受賞し、長年の功績が称えられた。
代表作には、彼女のキャリアを決定づけた『ソフィーの選択』（1982年）があり、壮絶な過去を持つ女性の心情を圧倒的な演技力で表現した。また、『愛と哀しみの果て』（1985年）ではロバート・レッドフォードと共演し、壮大なラブストーリーを演じた。『プラダを着た悪魔』（2006年）では冷徹なファッション誌編集長役を演じ、新たな代表作として人気を博した。さらに、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』（2011年）ではイギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーを演じ、アカデミー賞を受賞。近年では『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』（2019年）や『ドント・ルック・アップ』（2021年）などに出演し、現在も映画界のトップ俳優として活躍を続けている。
