ロビン・ウィリアムズ(本名:ロビン・マクラウリン・ウィリアムズ)は、1951年7月21日、アメリカ・イリノイ州シカゴに生まれた。父親はフォード・モーターの重役、母親は元モデルという裕福な家庭に育つ。幼少期は内気だったが、母親を笑わせることを楽しみとし、やがてコメディに興味を持つようになる。高校時代に演劇と出会い、カリフォルニア州クレアモントのカレッジで政治学を学んだ後、ジュリアード学院に進学。ここで名優クリストファー・リーヴと親交を深め、演技の才能を開花させた。
大学卒業後、即興コメディの世界に足を踏み入れ、スタンダップコメディアンとして頭角を現す。1978年、テレビドラマ『モーク&ミンディ』でエイリアンのモーク役を演じ、一躍人気スターに。その後、映画にも進出し、1980年の『ポパイ』でスクリーンデビューを果たした。ウィリアムズの類まれな即興力と幅広い演技力は、やがてハリウッドで唯一無二の存在となる原動力となった。
ロビン・ウィリアムズの経歴
俳優としてのキャリア
ロビン・ウィリアムズは、1978年にテレビドラマ『モーク&ミンディ』で一躍スターとなり、持ち前の即興力を活かしたコメディ演技で人気を博した。その後、1980年に『ポパイ』で映画デビューを果たすが、本格的に俳優としての評価を高めたのは、1987年の『グッドモーニング, ベトナム』での主演だった。本作で風変わりなラジオDJを演じ、アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた。
続く1989年の『いまを生きる』では、型破りな教師役で再びアカデミー賞にノミネートされ、演技の幅広さを証明。1991年には『フィッシャー・キング』で精神を病んだホームレス役を熱演し、三度目のアカデミー賞ノミネートを果たした。また、同年公開の『フック』では、ピーター・パンを演じ、ファミリー映画のスターとしても人気を確立した。
1993年には『ミセス・ダウト』で主演を務め、特殊メイクを施して女装した父親役で世界的ヒットを記録。その後も、『ジュマンジ』(1995年)、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)、『パッチ・アダムス』(1998年)など、多彩なジャンルの作品で活躍した。特に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』では、感動的な演技が評価され、悲願のアカデミー賞助演男優賞を受賞した。
製作者としてのキャリア
ロビン・ウィリアムズは、俳優業にとどまらず、映画やテレビの製作にも関与し、自身の作品にクリエイティブな視点を持ち込んだ。1990年代以降、製作総指揮として映画やテレビ番組の制作に携わるようになり、特にコメディ作品のプロデュースに積極的だった。
1991年には、自身も出演した『トイズ』の製作に関与し、ビジュアル的に独創的なファンタジー作品を世に送り出した。また、1998年には『パッチ・アダムス』の製作総指揮を務め、実在の医師を題材にしたヒューマンドラマの制作にも関わった。ウィリアムズは、ユーモアと感動を融合させた作品づくりを得意とし、彼の個性的な演技と世界観が作品にも反映されていた。
また、アニメーション作品にも関心を持ち、1992年のディズニー映画『アラジン』ではジーニー役の声優を務めるだけでなく、キャラクターの表現にも影響を与えた。ウィリアムズの即興的な演技を活かすため、アニメーターが彼の動きを取り入れながらキャラクターをデザインしたとされる。
さらに、若手映画人の支援にも関心を寄せ、独立系映画のプロデュースにも関与。2000年代には、インディペンデント映画にも積極的に出演し、俳優としての幅を広げるとともに、映画製作における多様なアプローチを模索し続けた。
受賞歴・代表作
ロビン・ウィリアムズは、その卓越した演技力と即興力で数々の映画賞を受賞し、コメディからシリアスなドラマまで幅広いジャンルで成功を収めた。1987年の『グッドモーニング, ベトナム』でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされ、その後も『いまを生きる』(1989年)、『フィッシャー・キング』(1991年)で同賞にノミネートされた。
1997年には『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で心優しい心理学者役を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞。ゴールデングローブ賞では『グッドモーニング, ベトナム』、『フィッシャー・キング』、『ミセス・ダウト』などで主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、1993年にはセシル・B・デミル賞も授与された。
代表作には、『グッドモーニング, ベトナム』(1987年)、『いまを生きる』(1989年)、『フィッシャー・キング』(1991年)、『ミセス・ダウト』(1993年)、『ジュマンジ』(1995年)、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)、『パッチ・アダムス』(1998年)、『ナイト ミュージアム』シリーズ(2006年~2014年)などがある。
また、声優としても高く評価され、ディズニーのアニメ映画『アラジン』(1992年)ではジーニー役を担当。そのユーモア溢れるアドリブ演技は映画の魅力を大きく引き上げ、アニメーション映画の吹き替え演技に革命をもたらした。ロビン・ウィリアムズは、演技力だけでなく、人々に笑いと感動を届ける才能を持ち、今なお多くの映画ファンに愛され続けている。