血筋と反逆を背負う、ハリウッドの異端と継承
アンジェリーナ・ジョリー(本名:アンジェリーナ・ジョリー・ヴォイト)は、1975年6月4日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれた。父親は俳優のジョン・ヴォイト、母親は女優のミシェリーヌ・ベルトラン。
幼少期に両親が別居し、母親に育てられたジョリーは、母と共に映画を観ることが多く、これが演技への興味を育むきっかけとなった。11歳からリー・ストラスバーグ演劇学校で学び、演技の基礎を習得した。その後、ファッションモデルやミュージックビデオへの出演を経て、女優としてのキャリアを本格的に開始した。
アンジェリーナ・ジョリーの経歴
俳優としてのキャリア
アンジェリーナ・ジョリーは、1993年、18歳のときに映画『サイボーグ2』で本格的な映画デビューを果たした。その後、1995年の映画『ハッカーズ』で注目を集め、同作で共演したジョニー・リー・ミラーと1996年に結婚するも、1999年に離婚した。
1998年、23歳のときにテレビ映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』で実在のモデル、ジア・キャランジを演じ、高い評価を得る。この作品によりゴールデングローブ賞を受賞し、実力派俳優としての地位を確立した。1999年には『17歳のカルテ』に出演し、精神疾患を抱える女性を演じてアカデミー助演女優賞を受賞した。
2000年、25歳のときにビリー・ボブ・ソーントンと再婚するが、2003年に離婚。同時期に『トゥームレイダー』(2001年)でララ・クロフトを演じ、アクションスターとしての人気を確立した。
2005年には『Mr.&Mrs. スミス』に出演し、共演したブラッド・ピットとの交際が大きな話題となった。2006年、31歳のときにブラッド・ピットとの間に子どもをもうけ、以降、養子縁組を含めた大家族の母となる。2007年には『マイティ・ハート/愛と絆』でジャーナリストのマリアン・パールを演じ、高い評価を得た。2008年には『ウォンテッド』、2010年には『ツーリスト』に出演し、スター俳優としての地位を維持した。
2014年、39歳のときにブラッド・ピットと正式に結婚するも、2016年に離婚を申請。その後も『マレフィセント』シリーズ(2014年、2019年)などで主演を務め、監督業にも力を入れるなど、キャリアの幅を広げている。
製作者としてのキャリア
アンジェリーナ・ジョリーは、俳優業と並行して映画製作にも関わり、監督・プロデューサーとしての地位を確立した。2011年に監督デビュー作『最愛の大地』を発表し、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景にした重厚なドラマを描いた。本作は批評家の評価は分かれたが、ジョリーの社会問題への関心と映像作家としての意欲が明確に表れた作品となった。
2014年には第2作目となる『アンブロークン』を監督し、第二次世界大戦でのサバイバルを描いた本作は、ゴールデングローブ賞の作品賞にノミネートされるなど一定の評価を受けた。その後も、2015年にブラッド・ピットと共演した『白い帽子の女』を監督・製作・脚本の三役を務める形で手掛けるなど、映像作家としての活動を本格化させた。
さらに、2017年にはカンボジア内戦を題材にしたNetflix映画『最初に父が殺された』を監督し、本作はアカデミー賞外国語映画賞のカンボジア代表作品に選出されるなど、高い評価を受けた。ジョリーの作品は一貫して戦争や人権問題をテーマにしており、映画を通じた社会的メッセージの発信を重視している。
受賞歴・代表作
1999年の『17歳のカルテ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞。
代表作に、『トゥームレイダー』シリーズ(2001・2003)、『Mr. & Mrs. スミス』(2005)、『チェンジリング』(2008)、『マレフィセント』シリーズ(2014・2019)、『エターナルズ』(2021)などがある。