『デイ・アフター・トゥモロー』(原題:The Day After Tomorrow)は、2004年に公開されたローランド・エメリッヒ監督のディザスター映画(パニック映画)である。主演はデニス・クエイドとジェイク・ジレンホール。地球温暖化が引き起こす異常気象により、地球規模の寒冷化が急速に進行し、人類が未曾有の危機に直面する様子を描いている。物語は、気候学者ジャック・ホール(デニス・クエイド)が気象変動の危機を訴える中、息子サム(ジェイク・ジレンホール)が取り残されたニューヨークでの救出劇に奔走する姿を中心に展開する。
本作は、圧倒的なスケールの特殊効果や緊張感ある展開が注目を集め、興行収入は世界で5億5,500万ドル(当時のレートで約600億円)を超えた。気候変動のテーマをエンターテインメントとして描きつつ、その科学的根拠を巡る議論も話題となった。
『デイ・アフター・トゥモロー』あらすじ紹介(ネタバレなし)
気候学者ジャック・ホール(デニス・クエイド)は、地球温暖化がもたらす異常気象を分析する中で、地球規模の気候変動が迫っていると警鐘を鳴らす。しかし、その予測が現実となるのは彼の想定をはるかに超える速さだった。
巨大な氷床の崩壊に始まり、世界各地で竜巻や洪水、激しい嵐が頻発。そして、北半球を覆う異常低温によって地球は急速な寒冷化に突入する。ニューヨークでは、ジャックの息子サム(ジェイク・ジレンホール)が友人たちとともに学校の研修旅行中に気候変動に巻き込まれ、マンハッタンは海に沈み氷点下の世界に閉ざされてしまう。
ジャックは息子を救うため、命がけで猛吹雪の中を進む一方、世界各地で人々がこの未曾有の災害に立ち向かう姿が描かれる。果たして、人類はこの自然の猛威を乗り越え、生き残る道を見つけられるのだろうか。
『デイ・アフター・トゥモロー』監督・主要キャスト
- ローランド・エメリッヒ(48)監督
- デニス・クエイド(50)ジャック・ホール
- ジェイク・ジレンホール(23)サム・ホール
- イアン・ホルム(72)テリー・ラプソン
- エミー・ロッサム(18)ローラ・チャップマン
- セーラ・ウォード(48)ルーシー・ホール
- アーシフ・マンドヴィ(38)ラジ
- ジェイ・O・サンダース(51)フランク
(年齢は映画公開当時のもの)
『デイ・アフター・トゥモロー』の評価・レビュー
・みんなでワイワイ | 5.0 ★★★★★ |
・大切な人と観たい | 3.0 ★★★☆☆ |
・ひとりでじっくり | 3.0 ★★★☆☆ |
・圧巻の氷世界 | 5.0 ★★★★★ |
・話題作 | 5.0 ★★★★★ |
ポジティブ評価
『デイ・アフター・トゥモロー』は、ローランド・エメリッヒ監督らしいスケールの大きなビジュアルと緊張感ある展開が見どころのパニック映画。氷河崩壊やニューヨークが津波に飲み込まれるシーン、都市全体が雪と氷に覆われる描写は、圧倒的な迫力だ。
これらの特殊効果は当時の最先端技術を駆使しており、自然の猛威をリアルに再現している。
また、映画は単なるパニック描写にとどまらず、気候変動が人類にもたらす影響や、環境問題への警鐘といったテーマ性を含んでいる。エンターテインメントとしてのスリルと、現実の課題を考えさせる作品だといえよう。
ネガティブまたは賛否が分かれる評価要素
科学的描写に関しては批判は多い。まず、地球規模の気候変動が数日から数週間という短期間で進行するという設定は、現実の科学的根拠とは大きくかけ離れており、専門家からは「非現実的すぎる」との指摘を受けている。また、地球温暖化そのものをプロパガンダだと考える一部の視聴者からは異論が出る。
パニック映画としてのスリルやエンターテインメント性に対して否定的な評価をする評論家はほとんどおらず、幅広い観客が楽しめる構成であることは確かである。
こぼれ話
『デイ・アフター・トゥモロー』の撮影では、異常気象による圧倒的なスケール感を表現するために、実写、ミニチュア、CGを巧みに組み合わせた特殊効果が使用された。ニューヨークが津波に襲われるシーンでは、巨大な水槽を使用して水の動きを再現し、その映像をCGと融合させて完成させた。俳優たちが猛吹雪の中で演技するシーンは、実際に氷点下に近い環境をセット内で作り出し、リアリティを追求した演出が行われた。
映画のテーマである気候変動について、監督のローランド・エメリッヒは脚本執筆時から科学者にアドバイスを仰ぎつつも、物語のエンターテインメント性を優先するため、一部の科学的描写をあえて誇張したと語っている。
本作の公開後には、環境問題への関心が高まり、いくつかの環境保護団体が映画を題材にしたキャンペーンを行ったというエピソードもある。興行的な成功だけでなく、現実の社会課題に影響を与えた点でもユニークな作品だといえる。
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